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米国DC制度から考える確定拠出年金の中途引出しに関する施策

昨今、いわゆる3階建てにあたる企業年金制度の中でも、
廃止された適格退職年金や運用難で解散の方向が続く厚生年金基金の移行先として
確定給付企業年金(DB)や確定拠出年金(DC)が増加傾向にあります。




ただし、企業会計上の問題(※)でDB制度は年金債務としての影響が懸念され、
足元では減少傾向にあり、DC制度は企業側に運用リスクが無い事もあって
今後はDC制度のさらなる拡大が予想されます。

※退職給付会計基準の改正(2013年4月)


そんなDC制度ですが、3年を越えれば退職時に一時金が支給されるDBと異なり、
DC制度は原則60歳まで引き出すことは出来ず、
例外として引き出せる場合も幾つかの条件(※)を満たす必要があります。

※【参考】企業型401k講座 離転職時の取り扱い(MS&ADHD)


そもそもDC制度は老後の生活費として公的年金の補助的な役割を担う目的があるのだから
中途引出しは馴染まない、或いは、税制上の優遇(※)を受けているのだから
そのペナルティとして当然の措置、と考える人も多くいます。

※拠出時・運用時非課税・給付時所得控除あり


とは言え、仮に退職者がその後就労できず、貯蓄も尽きて生活に困窮した場合でも
条件に満たなければ中途引出しが出来ない現在の制度上の問題を考えると、
一時金が支給される他企業年金制度と比較してどうあるべきかを考える必要はあるかと思います。


ここで以下の資料を見てみましょう。

【参考】第9回社会保障審議会企業年金部会(PDF)


当該資料の54pには中途引き出しに関するDC加入者への調査結果(出典はフィデリティ退職・投資教育研究所)
が掲載されていて、その表を抜粋すると以下のようになっています。



青:老後の資産形成は大切なので引き出せないようにしておくことは必要である
赤:「生活困窮時」などの条件があれば引き出しや借り入れを可能にすべきである
斜線:引き出しを制限すべきでない



この表を見ると、所得の多い2000万円以上の層は引き出しを制限すべきとする人が多くを占めるものの、
それ以下の層は概ね過半数が引き出しの制限に賛成する一方、生活困窮時の引き出しを認める、
或いは制限すべきでないと答える層が4割前後の割合で存在し、少なくとも一定の条件下での
引き出しを認める制度の必要性を感じています。

また、同資料の55pには米国におけるDC制度の中途引き出しに関する現状が書かれていて、
文面をそのまま抜粋すると、


「米国では、日本及び他の諸外国と同様、中途引出しは原則不可能であるものの、
死亡時や高度障害による退職時の中途引出しのほか、10%の課税額を追加で支払う事を
条件とした困窮時引出しを認めている
。」


とされていて、米国の中途引き出しの条件には困窮時であれば税制上の優遇措置を
逆負担する事で例外的に認めている制度がある事が分かります。

10%の課税額は恐らく運用益に対する課税というよりも、拠出時の非課税分を
本来給与として受け取った場合に発生する所得税として徴収するものと推測されますが、
日本でも同様の制度が儲けられる可能性は在り得ると考えています。

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基礎年金加入期間を40年から45年へ期間延長した場合の受取額試算等

10月1日に行われた第25回社会保障審議会年金部会では
主に高齢者の就労と年金受給の在り方について議論されましたが、
その議題の中に現在20歳から60歳までを原則とする基礎年金の加入期間を
65歳まで拡大し、総加入年数を45年に延長する案が検討されています。


【現在の基礎年金加入期間】



現在は20歳から60歳までの加入期間に加え、60歳までに加入年数が40年に
満たない場合のみ、60歳から65歳までの間で任意加入制度が設けられていますが、
あくまでも上限は40年(480か月)であり、今回の審議会で検討されている
45年とは別物となります。

具体的に年金額として表すと分かりやすいので計算してみましょう。


現時点(2014年10月1日)の基礎年金支給額は772,800円です。
これは、20歳から60歳まで国民年金保険料、或いは厚生年金保険料を払い漏れなく
納付した場合の満額で受け取れる金額です。

ちなみに加入月数1か月増えるごとの年金増加額を計算すると1610円(※)ですから、
5年延長した場合は1610円に60か月を掛けると、96,600円増加する事が分かります。

 ※772,800÷(480か月)=1610円


つまり、受け取り年金額は869,400円となるわけです。
(注:あくまでも今年の年金額水準に対しての試算結果です


これら延長案は現在実施されている特別支給の老齢厚生年金(報酬比例部分)の
引き上げ及び、廃止のスケジュール(※)に合わせる事を前提とし、
加えて65歳以上の在職老齢年金の廃止もセットで行うよう記載されています。


【特別支給の老齢厚生年金(報酬比例部分)の引き上げスケジュール】


政府広報オンラインより抜粋


【65歳以上の在職老齢年金の受け取り減額早見表】


全国麺類業厚生年金基金より抜粋




45年化のスケジュール案は、2018年度より3年ごとに1年ずつ延長し、
2030年度以降を45年間とするものとしています。


【基礎年金加入期間45年化スケジュール案】



この案の通り導入された場合、現在2014年度に56歳の人は61歳(492か月)まで、
44歳の人は65歳まで(540か月)が加入可能年数となります。



なお、これらは老齢厚生年金(報酬比例部分)の支給開始年齢の引き上げ及び廃止に加え、
60歳以上の希望者全員の再雇用義務化を求めた改正高年齢雇用安定法による
定年延長の施策(※)とセットで考えるべきものであり、年金の支給開始年齢そのものの
引き上げを議論するものではありませんが、同審議会資料には日本と諸外国との
平均実行引退年齢の実態(男性はアメリカ65歳、日本69歳)や法定支給開始年齢の
引き上げ状況(男性はアメリカ67、イギリス68、ドイツ67等が決定済み)を鑑み、
45年ではなく47年及び67歳受給開始モデルも合わせて試算されている点は
一応留意しておく内容かと思います。


※【継続雇用制度(経過措置)と報酬比例部分の引き上げ措置の関係(男性の場合)】


高年齢者雇用安定法Q&A(高年齢者雇用確保措置関係)より抜粋


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厚生年金基金等の脱退一時金を通算企業年金にする場合の注意点

厚生年金基金や確定給付企業年金等、企業年金が導入されている会社を
20年未満等の短期間で退職し、脱退一時金を受け取れる資格がある人は、
その原資を元に企業年金連合会の"通算企業年金"という終身年金型の年金制度を
利用できる場合もありますが、最新のパンフレットに気になる文言が記載されていました。


【参考】「企業年金連合会の通算企業年金のおすすめ 平成26年10月版(PDF)」


法律改正(平成26年4月施行)により、企業年金連合会は、
確定給付企業年金法に基づく新たな連合会(新連合会)の設立時に
解散することとなりました。(現段階では、解散時期は未定です。)

企業年金連合会が解散した場合は、通算企業年金に代えて残余財産を
分配することになりますが、その分配金の額が当初お預かりした
脱退一時金相当額を下回る場合があります。

また、新連合会が、その分配金を原資として新たな老齢年金の給付を行うことが
できますが、現在の通算企業年金と同じ給付設計になるとは限りません。

※4P注意文より抜粋


とされていて、現況の制度に沿った内容となるかどうかも
定かではないようです。

最終的には一時金として受け取れる道はあるものの、移管時の事務費
(上限34,100円(定額事務費1,100円+定率事務費上限33,000円))
が差引かれている状態で、恐らく運用先としているのは長期の国債の可能性が高い為、
換金時の差額も生じると考えれば脱退一時金として先に受け取る事を
考える必要があるかもしれません。

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各企業年金における過去8年間の資産残高推移

国民年金と厚生年金に加えて三階建ての年金として導入されている企業年金ですが、
その資産残高について、公開されている過去8年分の資料を元に、
増減の推移を表にしてまとめてみました。


※ここでは中小企業退職金共済制度(中退共)の残高は含めておりません。
※適格退職年金は2012年3月で廃止されています。


【企業年金資産残高推移】※参考資料は下記参照
企業年金資産残高推移表



企業年金資産残高推移チャート



直近の年度末で最も日経平均が高かったのは2007年3月ですから、
ちょうど平成18年度の数字がそれに当たります。

その後、わずか2年で残高が24兆円減少したものの、
現在はほぼピーク時の数字に戻っている状況です。

もちろん、積立額と給付額の差も見る必要はありますが、
運用状況をポートフォリオで見てみると、外国債券や外国株式の比率も大きく、
円安・株高による恩恵が影響している事に因る事が分かります。

※厚生年金基金と確定給付企業年金の合成ポートフォリオは2012年度末で、
 国内債券28.5%、国内株式15.8%、外国債券12.2%、外国株式16.0%です。
【参考】年金資産の運用状況(企業年金連合会)
 資産構成割合の推移(93年度末から2012年度末)
URL:http://www.pfa.or.jp/jigyo/tokei/shisanunyo/shisanunyo01.html


参考までに。





【参考資料】
<厚生年金基金・確定給付企業年金・適格退職年金>
■平成18年度~平成22年度
・企業年金の受託概況(一般社団法人信託協会)
URL:http://www.shintaku-kyokai.or.jp/news/news190524.html
URL:http://www.shintaku-kyokai.or.jp/news/news200528.html
URL:http://www.shintaku-kyokai.or.jp/news/news210527.html
URL:http://www.shintaku-kyokai.or.jp/news/news220526.html
URL:http://www.shintaku-kyokai.or.jp/news/news230525.html

■平成23年度~平成25年度
・企業年金(確定給付型)の受託概況(一般社団法人信託協会)
URL:http://www.shintaku-kyokai.or.jp/news/news240525-1.html
URL:http://www.shintaku-kyokai.or.jp/news/news250527-1.html
URL:http://www.shintaku-kyokai.or.jp/news/news260527-1.html



<確定拠出年金>
■平成18年度
・第4回社会保障審議会企業年金部会 企業年金制度の現状等について P.16・17・20
http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12601000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Shakaihoshoutantou/0000047509.pdf

■平成19年度~平成22年度
・社会保障審議会年金部会「厚生年金基金制度に関する専門委員会」資料
 「厚生年金基金制度の見直しについて(試案)」に関する意見 P.4
URL:http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000002sgw1-att/2r9852000002sh1g.pdf


■平成23~25年度
・確定拠出年金(企業型)の統計概況(一般社団法人信託協会)
(平成24年3月末現在)
URL:http://www.shintaku-kyokai.or.jp/news/news240525-2.html
(平成25年3月末現在)
URL:http://www.shintaku-kyokai.or.jp/news/news250527-2.html
(平成26年3月末現在)
URL:http://www.shintaku-kyokai.or.jp/news/news260527-2.html

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基礎年金の75歳繰り下げ受給を選択した場合の損益分岐点における生存確率

先日、厚生労働大臣が、年金の繰り下げを選択する場合において、
現行で認められている70歳までの5年から、75歳までの10年まで
上限を引き上げる案を提示している事が報道されました。

これは、年金の支給開始年齢(65歳)とは別に、
年金をいつの時期から受取るか選択する事が出来る制度として
受給者自身にあらかじめ与えられている権利の一つであり、
60歳から受け取り可能な繰上げ需給制度も合わせて設けられています。

もちろん、繰り上げ・繰り下げの両方ともメリットデメリットは存在し、
中でも一番大きいのが年金額自体が変化する所にあります。


【参考】繰り下げ・繰上げ増減表(札幌市・老齢基礎年金より)



65歳よりも早く年金を受け取りたい人は1か月繰り上げるごとに0.5%減額され、
60歳から受け取る場合は12か月×5年×0.5%=30%が
満額の年金額から差し引かれる事になっています。

逆に繰り下げ受給制度を利用すれば、1か月あたり0.7%が増額され、
70歳から受け取る場合は最大で12か月×5年×0.7%=42%が
増額される事になり、現行の年金額772,800を基準とすれば、
約324,600円が上乗せされ、約110万円の受取額となるわけです。


この上限が70歳から75歳になれば、現行と同じ増減率とすると
最大で84%の受取額上昇となり、満額なら約142万円の年金額が
支払われる事になるはずです。


しかし、人間の平均寿命は男性で80歳、女性で86歳と言われています。
65歳まで生きた人たちを基準にして、その後の平均余命を計算した場合は
男性で84歳、女性で89歳となりますが、それでも75歳から受け取るまでに
1円も支給されていないわけですから、本来65歳から受け取るはずだった額と
上乗せされた分との損益分岐点を超えるまで生きていられる保証はないため、
ここからは確率上のお話になってしまうわけです。


そこで、年金受給開始年齢である65歳時点の生存者を100とし、
仮に70歳、或いは75歳まで繰り下げして受給する事を選択した場合の
損益分岐点の年齢と、その時点の男女別生存率を確認し、
総受取額が低下するリスクと、長生きしても受け取れるメリットを
どう考えるかの参考として、以下の表を作成しました。

【年金繰り下げ受給の損益分岐点と年齢・男女別生存確率表】
年金繰り下げ受給の損益分岐点
※【参考】平成24年簡易生命表から65歳以降の10万対比生存数を元に算出


男性なら70歳まで繰り下げた場合、損益分岐点を超えて生存する確率は60.67%、
75歳までの場合は41.33%まで下がる事になります。
コインの表裏の話ではありませんが、5割を切る確率というのは
よほど健康に自信が無い限り、リスクを取るのに躊躇する数字です。

女性の場合は70歳まで繰り下げた場合82.59%、75歳で67.46%と、
繰り下げを選択する理由が十分にある数字となっています。

配偶者のあり、なしで更に細かく考える必要はありますが、
この記事内では割愛させて頂きます。

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プロフィール

楽天家業

Author:楽天家業

 大学在学中から事業でお金を貯め、それを元手に卒業後は個人トレーダーとして生計を立てていました。(現在はトレード業務一部復活)

 2008年のリーマンショック時に信用取引による過剰リスク状態で惨敗。そんな手痛い経験もあり、このままの人生で良いのかと自分を見つめ直し、同年からウェブサイトの作成業務、2009年からは独立系FPとして相談業務を行うため、自分の経験を活かして日夜、ファイナンシャルプランナーの分野で活動を行っています。

<略年表>
2009年9月AFP登録
2011年7月CFP登録

 現在、主にFP法人様や執筆関連でお仕事承っております。

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 上場と言う華々しさに至るまでの苦難の道のりを是非ご覧いただきたいと思います。

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