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講演会「証券投資における取引費用と高頻度取引」を聴いてきました

一橋大学大学院国際企業戦略研究科主催(日本取引所後援)
の講演会に本日参加してきました。

テーマは以下の通りとなります。


【第一部】 証券ポートフォリオ運用と取引費用
投資信託等の証券ポートフォリオの運用のパフォーマンス評価と、
運用における取引執行の重要性について

「投資信託のパフォーマンス」
「取引における柔軟性と市場への流動性供給」

【第二部】高頻度取引と市場の効率性
高頻度取引と市場の効率性に関して、日本の売買制度や取引システムの特徴、
米国における高頻度取引の実証研究について

「日本の証券市場の現状と売買制度・取引システムの特徴」
「高頻度取引と市場の効率性」


第一部はCAPM理論のお話と、理論上のαと運用上のαの差について、
そしてその原因としての流動性コストによるパフォーマンスの低下についてでした。

特にファンドの運用上発生する取引コストは売買代金だけではなく、
必要量の売買時に発生するスプレッドで発生するコスト(流動性が低い(板の厚みが無い)と
必要以上に価格が変動して売買される事になり、理論値よりもパフォーマンスが低下する)
も考えなければならない旨、解説がありました。

特に日本市場はラージキャップ(大型株)、スモールキャップ(小型株)ともに不利との事。



第二部は高頻度取引(HFT)についてです。

東証の説明としてまずは足元の状況から。
2010年1月のarrowhead(アローヘッド)稼働後、
最大の注文件数が発生したのは2013年5月23日の暴落時で約3,800万件
(2006年のライブドアショック時は上限が450万件)となり、
更にサーバーを増設して足元は9,600万件まで処理可能まで対応したとの事。

これだけ増加したのはもちろん人間の手による取引だけの話ではなく、
東証が提供するコロケーションサービス(※)を利用した売買状況(以下の図)
を見ても分かるように、6月7日時点では市場の全注文・約定に対して
注文件数が65%前後、約定件数が50%近くまで迫っており、
一日の売買の半分がコロケーションサービスを利用した取引となっています。

※取引参加者用の取引所内に設置された専用サーバーで、
 取引所システムとの物理的距離を短縮できるサービス





ただし、コロケーションサービス経由の注文・約定が全てHFTの物ではない点は注意です。
また、平常時におけるコロケーションサービス経由による注文状況は以下の図の通り。






これを見るとトレンドフォロー型、かつ常に反対売買が行われており、
一方向へボラティリティを拡大させるような状況にはなっていません。


また、日本銀行発行の、
「日銀レビュー(2013年1月)株式市場における高速・高頻度取引の影響」
によれば、アローヘッド導入後の流動性は向上していて(資料内図表3)、
ボラティリティ低下にも寄与している事が示唆されており(資料内図表7)、
HFT等の売買注文は市場にとっては中立ないしポジティブな内容となっています。


ただし、急激な株価変動等ショック級の動きが発生した時にはボラティリティが高まる
リスクについても否定しておらず、HFTが必ずしも中立的でない事だけは挙げておきます。
(この点は東証資料のコロケーション経由の取引がトレンドフォロー型である事を考えれば
可能性として考えられる範囲の話ではありますが...)


上記に加えて、気配値としての信頼性の問題もあります。
アメリカでは最良気配(売り板と買い板の先頭の注文)が1秒間に108回もの
価格並びにサイズの変更がなされる事があるそうで、
1,000分の1秒単位に2回の注文が出される事もあり、
流動性が確実に提供されているとは言い切れない面もあります。

ですが、講演会での資料と解説では投資家に不利益な方向には
データ上は出ておらず、市場は効率的かつランダムウォークしていると
結論付けられていました。


今回の講演内容については以上となります。
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リアルファッションイベント「ZOZOCOLLE(ゾゾコレ)」参加レポート(スタートトゥデイ)

以前の株主総会時に、幕張メッセで100ブランドほど集めて
一般参加可能な新作展示会を行う予定、との話が出ていました。

その展示会が9月15・16日の二日間に渡って開催される事になり、
初日に会場へ訪れてみました。

実際のブース数は75ショップ、参加ブランド数は200ほどだったようです。

着いたのは午後でしたが、ほぼノータイムで会場入り出来ました。
ネットで事前に取得したQRコード(ゾゾタウンの会員情報をコード化)を用いて
会場入り口でチェックインし、配布される個別のバーコード(パスカード)と同期させ、
そのバーコードと各店舗の商品に付属したタグを専用端末で読み込むことで
新商品の予約が完了するシステムとなっていました。

実際の決済は発送時(各商品ごとにリリース日が異なる)に行われる為、
それまでは現金のやり取りも商品のやり取りも無い事になります。

さて、会場の雰囲気はどんな感じだったかと言うと。。。





それぞれのショップが個性を出して様々なブース作りをしていました。
中でもSHIPSロゴの入った車と、ナノ・ユニバースの立体投影デスプレイは特徴的でした。


商品自体は初秋・初冬ものがいち早く現物を見れて試着できる事や、
ゾゾコレ限定物等もある為、流行に敏感な人はかなり嬉しいイベントではないでしょうか。

最近はオンラインショップでもサイズが合わなければ返品可とされるのが増えてきましたが、
実際にリアルで見て、色合いや自分の持っているアイテムと合わせたりという工程は
現物を見てみないと出来ない事ですから、こういったイベントは双方にとって
十分メリットがあると思います。

アパレル側も事前に需要動向をリサーチできますし、
生産数量を調整するなど在庫にさせない工夫をすることもできます。

三方両得となるイベントとして、
今後の展開に要注目です。


※軽食とドリンクが配布されるので飲料の持ち込みは不要でした。
 食べてから行ったのでその点は失敗でしたが(汗


【参考】「ZOZOCOLLE 幕張メッセ」
URL:http://zozo.jp/zozocolle/

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エムアップ(3661)株主総会参加報告

今日はエムアップ3661の株主総会に参加してきました。


エムアップの事業の柱は3つのセグメントに分かれています。

・携帯コンテンツ配信事業(79.6%→61.7%)
・PCコンテンツ配信事業(9.3%→7.3%)
・eコマース事業(11.1%→31.0%)


となっています。(カッコ内は第8期の売上構成比率[第7期→第8期])


このうち、eコマース事業は昨年から大きく売り上げを伸ばし、
今後の事業の柱になる勢いとなっています。


ビジネススキームはサイトにある決算説明資料(※)を見て頂ければ
大まかに把握できますが、その説明も込みで総会で社長がお話して下さいました。

※「平成24年3月期決算説明資料」(2012.5.23)
URL:http://info.m-up.com/irinfo/news/pdf/0523_kessansetsumei1.pdf(PDF)



まとめると以下のようになります。


・昨年の11月から計上されているeコマースに関して、
 オフィシャルファンサイトからのCDやDVD直販ビジネスに関するスキームのお話がメイン

・ファンクラブ会員数とCD・DVDの売り上げが同一水準にある→オフィシャルファンサイトから
 eコマース(CD・DVDの販売)事業を行えば儲かる?→これがヒット(発売前日の夜に自宅に届く等)

・オフィシャルファンサイトのフィーチャーフォンからスマートフォンへの移行が
 苦戦しており、今期が一番の山場(夏ごろ完了予定)

・eコマースの売り上げ予測はアーティストの楽曲リリースに左右される為、
 上下動が激しい上に8月末までしか楽曲の予定表が無い
 (決算説明資料には上期分の計上までで、下期は未定と記載。業績のブレ要因)

・デコメや着うたは今後売り上げ減少、ファンクラブサイトからのeコマース事業や、
 マチキャラ(待ち受け画面にキャラクターを表示し、それが動き回るサービス。)が優位に

・ファンの消費性向が震災以降コンプリート型になっている
 →着うた・マチキャラ・デコメやDVD・CD等全部を揃える風潮

・全ての関連事業を行っているので包括的に契約できる強み(価格交渉力等)がある

・足りない技術は今後も外部から取り入れていく予定

・映像作品(おそらくアーティストのライブDVD等やPV?)はお金がかかるし売れない
(アーティスト側が記録に残したいという理由で所属事務所が負担して出すが、赤字になりやすい)が、
 ファンサイト経由の直販なら所属事務所側に多くバックできる強みがある
(通常は売り上げの10%程度。エムアップは7割程)

・根強いファンのいるアーティストは武道館ライブでファンがレコードをまとめ買いをする
 レコードは取り扱っている販売店も少ないのでファンサイトでまとめ売りによる売り上げアップを狙える

・会員継続期間に応じて買えないチケットやチケットの当せん確率を変動させることで長期化させている

・公式ファンクラブをドコモ側に申請しても、登録されるのは1か月に5サイト程度
(9月までフィーチャフォンの公式ページをスマホに移行する上でファンが流出するリスクはある)

・子会社化したアドウェイズ・エンタテインメント側には公式ファンサイトがあるが、
 5%もスマホ化できていない

・アドウェイズ側には韓国アーティスト系の公式サイトがあり、今後はそちらにも注力する。

・株主優待は株主専用サイト等も考えたが、費用が掛かり過ぎるので配当で報いる方針
 (今後は少しでも配当性向を上げて行きたい)


他、X-JAPANのhide担当だった時代の話や、今後の熱い抱負を語って頂きました。
(思わずホロリと...)

なんというか、社長の一人オンステージな感じでしたが、
その熱意が十分に伝わってくる内容でした。

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スタートトゥデイ(3092)株主総会参加報告(幕張メッセ)

※2012年8月8日 A.3の質疑について修正

2012年6月24日13時から開催のスタートトゥデイの株主総会に参加してきました。

スタートトゥデイと言われるとピンとこない人は多いと思いますが、
ゾゾタウン(ZOZOTOWN)というファッション系通販サイトを運営している会社になります。





総会参加者は第一会場と第二会場に分かれており、
第一会場だけで1300名ほどを確認しています。

参加者の年齢層比率は、若年層:年配層が1:1と、
あまり他の総会では見られない比率でした。
(ネット関係の総会でも年配が殆どなのが通例です)

やはり日曜開催と言う事も影響しているものと思われます。
投資家のすそ野を広げたいなら、他社の経営陣にも見習って頂きたい所ですね。


さて、受付で綺麗所の社員さんに議決権行使書をお渡しし、
本会場でまずは業績報告等が行われ、その後に質疑応答に移りました。




質問数は全部で21に上りました。
内容は以下に列挙します。

※一部かみ合っていない回答がありますが、そのまま掲載します。


Q1.株主総会資料の文字が小さい。資料にお金を掛ける位なら
   配当に回すなり、新規投資に回した方が言い

A1.総会資料はデザイン性を重視した。当社のアイデンティティに関わる事であり、
   その辺りの意向をくみ取って頂きたい所
   また、こういった総会資料の工夫は受け手に喜んで頂きたい、
   サプライズを提供したいと言う意味で行っている


Q2.商品取扱高5000億円を目指す上で取り組んでいきたいブランドのテイスト感(方向性)等
   予約販売を始めたが、商品投入のタイミングについて
   商品の仕入れに対する影響力等について

A2.現在取り扱っているブランドは1800ブランドだが、日本には5000ブランドある。
   まだ取り込む余地はある。2500から3000ブランドで5000億円の達成は可能と考えている。
   納品のタイミング、早くて2週間だが長くて数カ月単位。
   リードタイムはバラバラでこの辺りは短く変革していきたい。


Q3.株価対策について。社長の株価への考え

A3.現在の株価は非常に不満。自己株取得も安いから行った。※8月8日修正
A3.現在の株価は非常に不満。自己株取得の発表(6/15にIR)も安いから行った。



Q4.ゾゾタウンの品切れが多い事について
   今後のM&A戦略について

A4.年に1,2度顧客にアンケートを取っているいて、
   そこで上がってくる一番の不満点が品切れが多過ぎる事
   これは、ブランド側が商品納入数量の決定権を持っており、
   顧客ニーズとのミスマッチが生じている
   ブランド側の店頭や倉庫に在庫があっても各ブランドとの取り決めで
   ウェブ側の販売に回せない現状がある
   各ブランドのウェブに回す数量は全体の5~10%であり、
   スタートトゥデイの最良顧客先であるUA(ユナイテッドアローズ)でも10%
   機会ロスを少なくするためにブランドに働きかけている
   予約販売なら需要のミスマッチは減少する物と考えている
   M&Aは現時点では考えていないが、共感できる会社となら一緒にやって行きたい


Q5.海外展開についていつ頃から収益化を見込んでいるのか
   優待の方針について(地方株主に対して)

A5.回答不明瞭(海外展開についての質問に対して国内含めた全体の売り上げを回答するなど)


Q6.商品取扱高5000億円達成はいつを予定しているか。

A6.なるべく早く達成したい。そこまでの道筋は見えている。


Q7.ファッションのトータルコーディネートに対する提案をリアル店舗のように行ったらどうか
   第一次産業の農林漁業系に対してファッションのアプローチをしてはどうか

A7.現在は単品での提供だがコーディネート部分も考えており、立ち上げ準備をしている。
   提案サービス開始は秋口を予定している。
   第一次産業には流通構造と見た目に問題点があると考えており、
   手がけるチャンスがあれば手がけたい。
   (代表取締役の叔父が神奈川県の三浦(?)で漁師という話も)


Q8.アマゾンや楽天の参入について明確な戦略はあるのか

A8.ブランドイメージに評価が集まるのがファッション業界であり、
   定量的に示す事は出来ないが勝てる自信はある


Q9.月次について、現在の開示内容だけでは不十分ではないか
   時価総額の目標について

A9.数字だけでなく定性的な部分は今後開示してきたいと思っている
   時価総額は1兆円を超えるような位置にいたい


Q10.ベルメゾンや千趣会のようにカタログを見てネットで買うやり方しか慣れていない
   年配にとっては馴染みが無いのではないか

A10.カタログでの販売は5月に始めている。予約販売に限りカタログで取り扱い、
   50万部(?)ほど作成し、オンラインでの購入者に対して配布している
   また、今後大規模なリアルイベントを考えており、現時点で正式リリースはしていないが
   幕張メッセに100ブランドほど集めて一般参加可能な新作展示会を行う予定である。
   9月15、16日の2日間の開催で目標3万人を予定しており、事前チケット制(1000円ほど)にする


Q11.会員の属性とその変化について(現在は平均年齢30.5歳)

A11.男女比44:56で女性の方が多い。過去には6:4で男性だったが女性比率が年々増加している
   地域は東京が16%ほどを占めている。今後も30~32歳を中心レンジになると思う
   登録会員数は現在が500万人ほどだが、2000万人を目標にしている
   これはターゲットコア層が4000万人いるなかの半数となる
   実際のアクティブ会員は1000万人ほどになり、この層に年5万円使ってもらうだけで
   売上は5000億円となる


Q12.誰でも良いので取締役からの今後の抱負

A12.省略


Q13.今期の業績について商品取扱高や売上はほぼ達成しているものの、
   利益が少ない事について

A13.今期の業績は予想以上の注文単価の下落が原因
   1件当たりの売り上げが下がればその分配送料等のコスト比率が増す
   その影響で売上高の水準に比べる利益の比率は低くなる


Q14.届いた総会資料の封筒がどちらを開けていいのか分からなかった
   決算書にあるのれんについて
   6時間勤務についてのバイトと社員の取り扱い差について

A14.のれんはクラウンジュエル買収後の子会社化に伴い発生している
   6時間労働はアルバイトには適用しないでまずは社員から実践
   人々に幸せを提供したいならまずは自分たちが
   幸せになる必要があるだろうとの考えで行っている



・第二会場からの質問に移行

Q15.ファッションは感性が大事だが女性物が増えて来ているのに
   取締役に女性が1名しかいない点について
   PBブランドの展開について

A15.部長級20名のうち3名が女性
   人事部は全て女性(女性の方が人を見る目がある)
   機会があれば積極登用したい
   PBブランドは既に用意する準備はあるが、
   他のブランドとの差別化をどうするか日々研究している
   少々お時間を頂きたい


Q16.省略


Q17.SNS(ツイッター等)を利用した広告戦略の今後の展開について
   ECサイトとしてのサーバーのバックアップ等インフラ面について

A17.以前のツイッター広告戦略はフォロワー数が40万人増えた
   土曜のキャンペーンを企画中
   ネットワーク関連は回線とシステムを二重化し、
   バックアップは遠隔地で管理している


Q18.現時点では無借金だが固定資産取得に際して借入等での資金調達を考えているか

A18.土地も建物もリースなのでこちらには大きな資金需要無し
   倉庫内の棚等の機材は自己資金で調達


Q19.少子高齢化に対しての対策(40代以降へのアプローチについて)
   海外展開について

A19.社員が若く、40代が3人しかいないので40~50代にアプローチする手段がない
   基本的に社員がやりたい事をやるのが方針なのであり、
   変に狙って商売をしたくないので社員がその年齢に達すれば自然と
   その年齢層へのアプローチもターゲットに入ると考えている
   ソフトバンクと組んで中国のタオバオで展開している
   韓国ではeBayと共同で展開を始めている段階で現時点ではあまり収益化で来てない
   中国では既に売れているブランドを展開する方針に変更
   香港や台湾への展開も考えている
   基本的には日本のブランドを海外へ販売する事を目的とし、
   現地のブランドはいずれ


Q20.他社アパレルメーカーの受託開発運用業務を行っているようだが、
   それをアパレル業界以外への展開を試みてはどうか
   また、対応しているのは社員なのか外注先なのか

A20.BtoB事業は今の所アパレル向けのみ。対応は社員が行っている


Q21.体が大きいのでサイズが合わない
   試着やファッションショーなどでリアルへの展開は考えていないか

A21.袖丈等を掲載したり、モデルの3サイズを掲載する事でミスマッチを防ぐ努力はしている
   今は返品もOKなので是非利用して頂きたい
   (リアルでの展開は回答なし)


以上、おおよそ15時に閉会し、その後懇親会とお土産配布で終了しました。
流石にこの質問量は疲れましたので今日はこの辺りで。

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鎌倉投信説明会に参加しました

先日、神奈川県鎌倉市にある投資信託運用会社、
"鎌倉投信株式会社"の本社屋で行われた説明会にお邪魔しました。





それにしても立派な社屋ですね。
推定80年の古民家を改装して使用しているようで、
門構えが立派でした。


さて、本題の説明会ですが事前に鎌倉投信のHPや
運用報告会等に参加されている方のブログで情報を仕入れていた為、
個人的には既知情報が多く、詳細は割愛させて頂きます。


2点ほど重要な点を挙げるとすれば、

・とにかくリスクコントロールに気を使っている
・本業が日本社会にとって良い影響をもたらすかどうかが投資基準となっている


と言った辺りが、意思決定の中心となっている所でしょうか。


リスクコントロールについては金融工学を駆使し(クオンツ)、
値動きや市場の状況、過去の統計等から判断される最適解を導き出して
ほぼ毎日(数日かけて)ポジションの調整を行っているようです。

実際、キャッシュポジションの調整を絡める事で値下がりに対するリスクは
極力抑えられているように感じました。


投資先については必ずしも黒字である必要は無いようです。(後述)

また、"良い会社"という表現は漠然としていますが、
日本の将来につながるかどうか、という視点で考えれば
比較的理解はしやすい投資基準だなと感じました。



参加者からの質疑応答等やこぼれ話で気になった点は以下の通りです

・ブレークイーブンポイントはどの程度を見積もっているのか
 →85億~90億円が目安(2015年度までに達成できなければファイナンスの可能性)

・投資家の質によって投資信託はパフォーマンスが変わる
 →急落時に多くの入金、相場上昇時に換金売りが出ないなど長期的な視点に立って
  資金フローがコントロールされており、急な払い戻しに応じる為の無駄な取引コストや
  機会ロスが発生していない。

・運用者人数が少ない為、投資先のアフターフォローが十分にできていない
 →ウェブで投資先を開示する事により、受益者自身をフォロー役に取り込める利点
 (バイサイドアナリスト的?)
  今後はインターン等を利用した戦力の補強も考えている

・投資先の売却等についての意思決定プロセスについて
 →基本的にはリバランス以外での売却はしない。(不祥事等除く)
  投資先であるウェザーニューズという会社で一度、過労死問題が発生した事があり
  事実関係の確認と今後の方針について慎重に検討した所、
  会社側から公式に状況を開示した姿勢とその内容を鑑み、投資継続を決定した経緯がある。

 【参考】ウェザーニューズ→「私たちの「働き方」について」(※PDF)

・受益者の中心層は30~40代
 →今後は機関投資家へのアクション等も考えている


辺りが挙げらられていました。



さて、説明会終了後、担当された田島忍さんに何点か質問させて頂きました。


私が気になっていたのは以下の点です

・ライフネット生命新規上場直後のエントリーに関する意思決定プロセスについて
・リバランスのタイミングについて
・投資者の年齢分布とイグジットタイミングが重なるリスクについて


です。


リバランスのタイミングについては前段でまとめてありますので割愛します。(クオンツ等)


ライフネットに関しては先ほども挙げましたが、現時点では"赤字企業"である事に変わりなく、
現状の契約件数の伸び率を考えれば当初黒字化として目標が掲げられていた計画数に
早晩達成するものの、黒字化するかは不透明であり、元々会社として人気があり公募価格も
比較的高い金額(それでも下限決定でしたが)で売り出されている状況を考えれば、
上場直後の需給プレミアム部分が乗っかった今投資する理由はどこにあるのか、何故今なのか、
という事をお聞きしたかったのです。(個人的にはこれを聴きに来たのが理由の半分くらいを占めます)

この辺りは個別の事案ですので詳細は記載しませんが、
比較的自分の考えに近い点と、ファンド特有の理由があった所も面白い回答だったと思います。


投資者の年齢分布云々に関しては受益者の中心層が30~40代である事を話されたので、
それなら将来的なイグジット集中リスクについてはどう考えているのだろうと思い聴いてみました。

回答は、「年齢層の分布状況に偏りがあるリスクは認識しており、
その辺りを改善する為に今後幅広い層へアクションを起していく事を考えている。(特に年配層)」
との事でした。


ガイアの夜明け等が放映された時にもっと年配の人も取りこんだものと思っていたのですが、
このお話はちょっと意外な印象を受けました。



さて、最後のおまけです。


個人的にさせて頂いたお話の中で、"金融業の在り方"に関する意見は私も共感を覚えました。

金融という枠組みで見た場合、投資者は資金の提供と流動性の供給と言う点で
とても大切な役割を担っています。

また、金融とは本来"お金が必要な人の所に融通する"事を指すわけですから、
日本にとって果たしてどの分野・会社・人にお金を融通するのがこの国を良くすることにつながるのか?
と考えた場合、貢献度の高い(或いは高くなる事が見込まれる)企業へ流してあげる事は
とても使命感の湧くやりがいのある作業なのだろうと感じ入りました。


ここで先日、とある方からお薦め頂いた「最底辺のポートフォリオ(amazon)」という書籍を思い出しました。

内容は、国際連合開発計画が策定した"貧困層"として定義づけられる世帯について、
収入や支出の状況を1年間で月に2回を目安に追跡調査し、どのような資金繰りが行われているかを把握し、
その上で明らかになった問題点を浮かび上がらせる過程と考察が書きとめられているものです。

この本で最も肝にあたるのが、いわゆる"貧困層"と呼ばれる世帯でも普段から大きな出費に備えた貯蓄をし、
不足が生じた時は身内間でお金の貸し借りを行い、ご近所さんと貯蓄クラブを作ったり
"マネーガード"と呼ばれる盗まれたり自分で使ってしまう事を防ぐためのお金の預託行為をしていたり、
様々な"金融取引"を駆使して生活の金銭リスクを回避する作業を行っている実態が
浮かび上がっている点です。


貧困層に置いては金銭管理のリスクが最も気にしなければならない肝所であり、
収入が少額かつ不定期で予測不可能な状態から発生する様々な生活リスクを取り除くには、
より安全で利便性の高い"金融システム"が不可欠である事を示唆しているわけですが、
上記のようなインフォーマルな方法ではとても不安定である事は、
"銀行"や"ATM"というシステムに慣れ親しんだ日本人にはあまりピンと来ないかもしれません。


"金融"とは適正なリスクの範囲で受益者の利益を配慮しつつお金の融通をする行為だと考えます。

上記で示すような"生きる行為"に対しての金融という、ある種原初的思想に立ち戻った時、
金融システムに対しての考えを中立的な立場で俯瞰すれば
そこに新たな流れを生み出そうとする"信託"というシステムそのものが
一つの金融システムとしてなるほど、面白い仕組みなのだなと頭の中で話がつながった次第です。


おしまい。


鎌倉はちょうど紫陽花の季節でした。


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プロフィール

楽天家業

Author:楽天家業

 大学在学中から事業でお金を貯め、それを元手に卒業後は個人トレーダーとして生計を立てていました。(現在はトレード業務一部復活)

 2008年のリーマンショック時に信用取引による過剰リスク状態で惨敗。そんな手痛い経験もあり、このままの人生で良いのかと自分を見つめ直し、同年からウェブサイトの作成業務、2009年からは独立系FPとして相談業務を行うため、自分の経験を活かして日夜、ファイナンシャルプランナーの分野で活動を行っています。

<略年表>
2009年9月AFP登録
2011年7月CFP登録

 現在、主にFP法人様や執筆関連でお仕事承っております。

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僕はミドリムシで世界を救うことに決めました。(出雲 充)

【書籍の解説】不可能と言われていたミドリムシの大量培養に成功し、食糧問題からエネルギー問題まで解決の糸口に繋がる手法を模索する社長さんが書かれた本です。
 事業自体はミドリムシ入りのクッキーが世の中で話題になった頃合いに知ってはいましたが、元を辿れば旧ライブドアに直接出資して貰っていた経歴がある等、紆余曲折あって様々な艱難辛苦を乗り越え、少なからず各専門分野の人達に共感を得て徐々に資本関係を構築し、様々なサポートがあって倒産危機を乗り越えながら泥臭く経営してきたという想像だにしない様々なエピソードを持っている事をこの本で知りました。
 上場と言う華々しさに至るまでの苦難の道のりを是非ご覧いただきたいと思います。

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