平成25年税制改正大綱について(日本版ISA・証券関連)

此度の改正は幅広く、内容も濃い為、日本版ISA等に付いて
現時点で判明している内容をまとめる事にします。

(※税制改正大綱の法案は最終的に内容が変更される場合があります


【金融・証券税制】

■上場株式等の配当等及び譲渡所得等に係わる10%の軽減税率
平成25年12月31日で廃止(11月や12月権利日など、翌年に支払われる配当は20%課税対象)


■公募公社債投資信託(MMF)の課税方式変更(平成28年1月1日以降)
今までは利子所得が20%源泉分離だが、20%の税率による申告分離課税方式に変更(一部除く)
譲渡所得非課税を除外し、20%の申告分離課税方式に
(※外貨MMFについては要確認)
譲渡損失が出た場合は他の公社債投資信託の譲渡損失と相殺するか、
上場株式や配当と損益通算並びに繰越控除適応可能
特定口座内に預け入れ可能

※特定公社債(国債、地方債、公募公社債など)についても同様の規定あり


■特定口座のみなし廃止
特定口座内に株式を保有せず、取引せずに放置した場合は約2年で廃止されていましたが、
その制度が無くなる事になります。

例)
平成22年1月10日 最終売買日
平成24年12月31日 取引無し
平成25年1月1日 みなし廃止


■日本版ISAについて

<開設できる期間>
平成26年1月1日から35年12月31日までの10年間


<非課税期間(配当・譲渡所得)>
口座開設し非課税化された日(※正確には非課税管理勘定が設けられた日(以下単に開設))
の属している年の1月1日以後5年を経過する日までの期間

例)
平成26年4月1日に開設
→非課税期間:平成26年4月1日~平成30年12月31日

この期間に受け取った配当所得、並びに譲渡所得が非課税


<非課税枠>
10年間で500万円
(詳細が大綱内では付されていないが、おそらく期間内に5口座開設までか?(要確認))


<非課税額100万円限度について>
非課税は一口座に付き100万円まで
開設日からその年の12月31日までに受け入れた上場株式等の取得対価又は時価で判定
非課税口座内でロールオーバー可能(※)

※異なる年分に預け入れた上場株式等が移管可能
追記:非課税期間が終了する日(12月31日)に保有している株式等は
翌年1月1日に新たに設定される非課税口座(管理勘定)に移管可能


例)
・平成26年4月1日A株50万円を非課税口座1で取得(残余枠50万円)
・平成31年1月1日新しい非課税口座2開設
・平成31年1月1日に非課税口座1のA株(時価70万円)を非課税口座2に移管(残余枠30万円)
追記:→平成35年12月31日までに支払われる配当、並びに譲渡所得が非課税
・平成35年1月1日新しい非課税口座3開設
・平成35年1月1日に非課税口座2のA株(時価90万円)を非課税口座3に移管(残余枠10万円)
→平成39年12月31日までに支払われる配当、並びに譲渡所得が非課税


追記:※1回のロールオーバー、最大で10年非課税化可能

<その他>
同一の金融商品取引業者等に重複して非課税口座を開設する事が出来ない
(つまり、複数の証券会社に重複して非課税口座を開設する事は可能?(要確認))


以上

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今月のお給料から復興特別所得税の徴収が始まります

東日本大震災の復興を目的とした財源確保の為、
今月から復興特別所得税の徴収が始まりました。

【参考】
平成25年分の所得税から適用される復興特別所得税が創設されました」(国税庁)


復興特別所得税額の計算は以下のように行います。


復興特別所得税額 = 基準所得税額 × 2.1%


例えば所得税として10万円が課税されているのであれば
10万円×2.1%=2,100円が復興特別所得税としての納税額となります。


課税される割合で示すと、所得税の最低税率は5%ですから、
最終的に徴収される税率は5.105%となり、0.105%が復興特別所得税分となります。


さて、給与所得者(サラリーマン)の場合、所得税は事業主によって源泉徴収されています。
給与明細の控除欄に「所得税」という項目があるかと思いますが、
その金額が若干変化する事になるわけです。

金額としては上で示したように2.1%を掛けて算出されたものが
追加で源泉徴収される大よその金額となりますが、
給与からの源泉徴収税額は社会保険料控除額や扶養親族等の人数によって異なる為、
控除後の水準ごとに大まかな数字と料率を提示しておきます。


【参考】「復興特別所得税関係(源泉徴収関係)」(国税庁)

※給与所得の源泉徴収税額表(平成25年分)月額表より
※扶養親族等の数は1人(控除対象)とする
※扶養控除等申告書提出者で源泉徴収税額表の甲欄適用者とする




上記表で言う「その月の社会保険料等控除後の給与等の金額」とは、
給与収入から厚生年金・健康保険・雇用保険などの社会保険料控除を差し引いた
残りの金額の事で、給与の支払額そのものとは異なります。

また、年末調整で更に調整される為、
最終的な負担額が決まっているわけではありませんが、
おおよその目安として上記表のような支払い増となる事だけ気にとめて置いて下さい。

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馬券で儲けても破産の危機?「必要経費」はどこまで認められるか

趣味として競馬をやってる人間として、かなり興味のあるニュースがありましたのでご紹介を。


「外れ馬券は必要経費」脱税公判で男性無罪主張(※読売新聞2012年11月29日)

 競馬の馬券配当で得た所得を申告せず、2009年までの3年間に約5億7000万円を脱税したとして、所得税法違反に問われた会社員男性(39)が大阪地裁の公判で無罪を訴えている。配当を得るための「必要経費」には膨大な外れ馬券の購入額も含めるべきで、当たり馬券だけから算定したのは不当と主張。
(中略)
 男性の弁護人らによると、男性は07~09年の3年間に計約28億7000万円分の馬券を購入。計約30億1000万円の配当を得ており、利益は約1億4000万円だった。
(中略)
 大阪国税局は税務調査の結果、配当額から当たり馬券の購入額を差し引いた約29億円を一時所得と認定(抜粋)



3年間で1.4億円の利益を得ていたのも凄い話ですが、
必要経費」が約1億円しか認められていないというのも凄い話ですね。

購入金額が年間約10億円と膨大なのは、年間のほぼ全てのレースで購入していたからであり、
日本中央競馬会の平成23年度事業報告書(PDF)によれば、
年間の各競馬場の開催延べ日数は288日と書かれていますので、1日が12レースとすれば

12レース×288日=3,456レース

であり、1レースあたりの購入金額は約29万円となりますので、
元金自体はそう大きな金額ではない事がわかります。


ちなみに無申告加算税を含む追徴課税は約6.9億円との事ですから、
このまま課税されたとすると、おそらく一生を掛けて返済する事になるでしょう。
(税金は自己破産しても免責にはならず、支払えなければ延滞税が加算されるので、
更に負担は増えるものと思われます。)


では、「必要経費」の判断はどうなっているのでしょうか?
そもそも、一時所得とはなんなのでしょうか?

これらを合わせて考える為に、所得税法上の一時所得に関する説明を見てみましょう。


第34条(一時所得)
 一時所得とは、利子所得、配当所得、不動産所得、事業所得、給与所得、退職所得、山林所得及び譲渡所得以外の所得のうち、営利を目的とする継続的行為から生じた所得以外の一時の所得で労務その他の役務又は資産の譲渡の対価としての性質を有しないものをいう。

2 一時所得の金額は、その年中の一時所得に係る総収入金額からその収入を得るために支出した金額(その収入を生じた行為をするため、又はその収入を生じた原因の発生に伴い直接要した金額に限る。)の合計額を控除し、その残額から一時所得の特別控除額を控除した金額とする。

3 前項に規定する一時所得の特別控除額は、50万円(同項に規定する残額が50万円に満たない場合には、当該残額)とする。



これだけでは「馬券の配当金」が一時所得に該当するかどうかの判断はできません。
そこで、国税庁側は「所得税法基本通達」によってその課税範囲を例示しています。



所得税法第34条《一時所得》関係(※国税庁)

34-1 次に掲げるようなものに係る所得は、一時所得に該当する。

(1) 懸賞の賞金品、福引の当選金品等(業務に関して受けるものを除く。)
(2) 競馬の馬券の払戻金、競輪の車券の払戻金等

(以下(3)~(12)略)



これにより、馬券の払戻金は以下の計算式によって一時所得の金額が計算されています。


払戻金総額-その収入を得る為に支出した金額-50万円=一時所得の金額


ここで問題になるのが「その収入を得る為に支出した金額(報道にある「必要経費」の部分)」です。

これが通常の事業行為によって得た事業所得や雑所得であれば、
必要経費に含まれる金額はその事業を行う上で直接的に生じた経費等(※)ですから、
同様に当てはめれば配当金を得る為に支払った年間の購入費用は全て経費として認められるはず、
...と思ってしまいます。

※参考:「No.2210 やさしい必要経費の知識(国税庁)

しかし、一時所得の場合は「その」という言い回しをあえて使用しているように、
馬券の場合は配当金が得られた馬券の購入代金以外は経費として認めない事になっています。

つまり、同じレースで単勝と馬連2つの馬券を買って、
片方が的中し、片方が外れた場合、外れた方の馬券の購入費用は
的中した金額から費用として差し引けない、という事になります。
(実際の判断は税務署ごとに若干異なると思いますが...)


さて、ここでもう一つ気になる事があります。
一時所得は「営利を目的とする継続的行為から生じた所得以外の一時の所得」となっていますから、
上記記事の方のように、明らかに営利を目的として反復継続的に馬券の購入をしている人と、
単に趣味としてG1のような大きなレースだけ馬券の購入をしている人などを
同列で考える事に合理性があるかどうか、という事です。


恐らく裁判の争点はこの辺りが争われる事になるかと思いますが、
個人的にはとても興味のある裁判となりそうです。

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確定拠出年金を悩ます特別法人税 立法趣旨と今後の展開

確定拠出年金の話題が上ると必ず特別法人税の話が出てきます。

これは、積立られた残高に対して一定の割合で税が課されるというものですが、
その税率が国税1.0%、地方税0.173%の合計1.173%という、
超低金利時代の現代では考えられないほどの高率となっている為、
平成11年度から現在まで、制度はあるのに凍結され続けているわけです。

この法律は元々適格退職年金制度が創設された昭和37年(1962年)に作られたもので、
根拠法は法人税法第83条他で規定されており、税率も以下のような条文で決められています。


法人税法第87条(退職年金等積立金に対する法人税の税率)

内国法人に対して課する退職年金等積立金に対する法人税の額は、
各事業年度の退職年金等積立金の額に百分の一の税率を乗じて
計算した金額とする。



そして現在は租税特別措置法第68条の4によって、
上記退職年金等積立金に対する法人税の課税は停止されている状況です。


しかし、定期預金に預け入れるだけで数パーセントの利息が付く時代とは異なり、
上記の固定金利水準を得ようとすれば、償還期間が15年物の国債を買う必要があり、
そのような商品が固定利付債が提供されているわけでもない為、
とても現実的とは言えない状況となっています。

そもそも特別法人税を課税する立法目的とはなんだったのでしょうか?
具体的には以下の資料を見る事である程度当時の状況が把握できます。


【参考】(季刊・社会保障研究Vol.34 No.2(1999年3月発行)国立社会保障・人口問題研究所)
退職年金等積立金に対する法人税の立法趣旨をめぐって」(PDF)


上記資料内の1ページ目の文章を引用すると、当時の税制調査会(1961年)では、


「年金について従業員の受給時まで課税しないこととするときは、企業拠出部分及び運用益部分について非課税の「たまり」ができることとなる。(中略)企業拠出部分と運用益部分についてなんらかの課税を行うべきことが結論として導き出される。

 そこで、従業員の所得としての課税は、年金受給時に置いてすることとし、その間の課税の繰り延べによる利益、すなわち、税金の納付を延期する為の利息に相当するものを、その年金基金に対し、特別の法人税として課税しる事が適当と考えた。」

(引用終わり)


と記載されており、確定拠出は企業拠出部分が主流ではあるものの、
マッチング拠出を導入した本年1月以降に置いて上記と同様の措置を取る事自体に
問題があると考えるのが自然です。

また、確定拠出年金は他の企業年金とは異なり拠出後の受取額は運用結果によって左右される為、
最終的に運用益が生じるかどうかは不明である事を考えれば、
遅延利息の源泉そのものが存在しない可能性もありうるわけです。

加えて、上記資料内(p198 2.運用益課税の角度からみた特別の賦課)
においても語られているように、単年度の収益結果を持って課税するのであれば、
それと並行して損失が発生した場合は複数年度に渡って通算する制度の導入が無ければ
その他の課税方法との合理性が失われるとも言えることができ、
この面でも現行法上のまま凍結を解除する事に問題があると考えられるわけです。


以上により、最終的に何かしらの課税を導入するとしても、
課税額を引き下げるか、一定額の残高までは非課税とするか、
定率課税をやめて新たなシステムを導入する可能性は否定できません。

もちろん1年物の定期預金金利が数パーセントレベルで安定するような世の中であれば
現行のまま復活させる可能性はありますが、この状況下ではそれも考えにくい為、
結局は凍結して先送り、という流れが妥協の産物として
正当性を持っている事は察しておく事にします。

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配偶者控除の存在は本当に女性の労働環境に影響を与えているのか

ここ数年何度も論議されながら廃止案の法案提出が見送られている配偶者控除ですが、
2013年度税制改正においても見送りの公算が高くなってきました。

それにしても、なぜ配偶者控除の見直し案が出るのでしょう?

それは、配偶者控除の存在が既婚女性の働き方に
大きな影響を与えているとの考え方が元になっています。


例えば103万円の壁、という話を一度は聞いた事があるかと思いますが、
これは配偶者控除を受けながらパートとして働くために年間の給与収入を
103万円以内に抑える必要があるとの認識が広まっている為です。
(実際は141万円未満まで段階的な控除としての配偶者特別控除があります)

実際、「男女共同参画会議 監視専門調査会(第9回)(PDF)」(男女共同参画局)の資料によると、
既婚女性の給与所得者の所得分布は以下のようになっているそうです。



※内閣府配布資料(第2分野関係)1-1(2p)既婚女性の給与所得者の所得分布(年代別)
 から筆者が加筆修正



この資料を見る限り、確かに100万円前後に所得分布が集中している事が見て取れます。

ただし、先程も述べたように配偶者控除が受けられるのは103万円までですが、
配偶者特別控除の存在も忘れてはいけません。

また、夫の会社で加入している社会保険の被扶養者として認定される130万円未満も
気にされている傾向が上記のグラフからも読み取れます。


「所得控除の今日的意義-人的控除の在り方を中心として-」(税大研究部教育官 田中康男)(PDF)
で述べられている「(1)配偶者控除を巡る問題(配偶者控除廃止論 p.87)」の一文を引用すると、



配偶者控除の是非を巡っては、第一に女性の社会進出やパート労働との問題、
第二に配偶者の内助の功や帰属所得の問題等から、配偶者控除を廃止しては
どうかとする議論(以下「廃止論」という。)が見られるところである。
以下では、これらの議論に対する見解を述べてみる。

第一の問題は、いわゆる「103 万円の壁」という側面から論じられる。
現在、妻がパート労働をする場合、妻自身の課税関係からすると、
基礎控除の38万円と給与所得控除の65万円を合わせて103万円までは課税されない。
また、夫の課税関係からしても、妻の所得が 38 万円以下の場合、
配偶者控除の適用を受けることができる仕組みになっている。
このような仕組みを捉えて、妻が就労を制限しようとする意思が働き、
女性の社会進出を阻害している等の批判があるわけである。

しかし、このような批判は、社会保険負担の問題や企業等における
配偶者手当が税制と同額程度に定められていることにも起因しており、
一概に税制固有の問題として批判されるものではないといえる。
そもそも、夫婦のいずれが働くか、又は「家事労働に従事するかは
租税制度により決められるわけではなく、課税以前の要因により
(夫婦間で)決定される」ものである。

(引用終わり)


として、所得の分布の偏りは配偶者控除が全ての原因ではないとしています。

ここで先ほどのグラフを見ると、20代の既婚者の所得分布には偏りが無く、
課税関係に寄らず夫婦間で就労状況が決定されている一つの裏付けとも言えますし、
逆を言えば既婚者でも年代が進むごとに100万円前後への集中が発生しているのは、
子供が生まれるごとに時間の自由がある程度作れるパート労働へと自分の意志で
就労方法を変更しているともいえる可能性もあり得るわけです。


また、先ほどの論説でも挙げられていたように、
夫の所属先企業の配偶者手当の影響も無視できません。


平成22年就労条件総合調査結果の概況」(厚生労働省)を見ると、
族手当を支給している企業(従業員が30人以上)は全体の65.9%に上ります。


また、「労政時報 第3817号(2012年3月9日)(PDF)」(株式会社労務行政)によると、
家族手当を導入している企業の中でも、配偶者の制限条件として全体の62%が、
所得税法上の控除対象となる配偶者”と規定している事からも、
この制度の存在が就労状況へ影響している可能性は否定できないと言えるでしょう。

実際、同資料の家族手当の支給額(配偶者のみ)の平均値は月額約1.5万円であり、
年額18万円を捨ててまで制限を超えて労働するインセンティブはあまり感じられない事が分かります。


このように、配偶者控除の存在のみが女性の労働環境を決定づける要因とは言えず、
その多くは複合的な物である事は認識しておく必要があるでしょう。

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プロフィール

楽天家業

Author:楽天家業

 大学在学中から事業でお金を貯め、それを元手に卒業後は個人トレーダーとして生計を立てていました。(現在はトレード業務一部復活)

 2008年のリーマンショック時に信用取引による過剰リスク状態で惨敗。そんな手痛い経験もあり、このままの人生で良いのかと自分を見つめ直し、同年からウェブサイトの作成業務、2009年からは独立系FPとして相談業務を行うため、自分の経験を活かして日夜、ファイナンシャルプランナーの分野で活動を行っています。

<略年表>
2009年9月AFP登録
2011年7月CFP登録

 現在、主にFP法人様や執筆関連でお仕事承っております。

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