孫の教育資金を祖父母が贈与した場合、非課税とする減税策について

少しずつ経済対策としての税制改正詳細が出てきていますが、
今日は教育資金の贈与についてのお話です。

【参考】「設備投資増なら法人減税 孫の教育資金を非課税 」(日経新聞)


「今は教育にかかる資金を祖父母が負担しても贈与税はかからないが、
数年後の教育資金として、まとめてお金を渡す場合は贈与税がかかる。
信託銀行などの口座で教育資金として管理する場合に1500万円などの
上限を設けて非課税とする案が浮上している。(抜粋)」


現行でも、直接掛かる費用を支払う場合は
祖父母から孫への贈与は非課税となっている点に注意です。

ちなみに教育費の贈与について非課税やその範囲が決められているのは以下の通達によります。


【参考】相続税法基本通達第21条の2《贈与税の課税価格》関係(国税庁)


〔扶養義務者からの生活費等関係〕「教育費」の意義」

「教育費」とは、被扶養者の教育上通常必要と認められる学資、教材費、文具費等をいい、
義務教育費に限らないのであるから留意する。



義務教育に限らない、という事は高校や大学の学費等だけでなく、
学習塾の費用も含まれると言っていいものと思われます。


【参考】相続税法基本通達第1条の2「扶養義務者」の意義


「扶養義務者」とは、配偶者並びに民法第877条((扶養義務者))の規定による直系血族及び
兄弟姉妹並びに家庭裁判所の審判を受けて扶養義務者となった三親等内の親族をいう
のであるが、これらの者のほか三親等内の親族で生計を一にする者については、
家庭裁判所の審判がない場合であってもこれに該当するものとして取り扱うものとする。



とされており、主に

・配偶者
・直系血族
・兄弟姉妹
・三親等内の親族で生計一又は指名されたもの


が扶養義務者とされていますので、
「祖父母」は該当する事になります。


このように、既に非課税として認められてる範囲を超えて
信託銀行に費用を支払ってまで一括して贈与を行うケースがどれだけあるかは分かりませんが、
実際導入された場合は恐らく現行の「特定信託贈与(特別障害者向けで6,000万まで贈与税非課税)」
のスキームと相似の物が導入されるのではと考えてます。

【参考】「特定贈与信託(一般社団法人 信託協会)


【スポンサードリンク】

税金を払わない働き方

怪しいお話ではありません(笑)

税金を支払わない範囲で働くと所得はどうなるか、というお話です。
それを調べるには、今の所得税・住民税の控除額や非課税所得を知っておく必要があります。
モデルケースを提示して計算してみましょう。

【前提条件】
・検証対象は一人暮らしの23歳男性
・国民健康保険、国民年金は加入する事にします。
・配当所得と利子所得の源泉徴収は無視します。
・翌年の国民健康保険料増額分は課税ではないと考えます。
・住民税の均等割りは考慮しません。



【控除額を利用するケース】

■基礎控除(所得税:38万円 住民税33万円)

誰もが所得から引ける所得控除です。
年間33万円までなら非課税となります。

ただし、住民税の非課税は課税所得100万円以下となるので、
35万円を基準にして考える事にします。


■給与所得控除(65万円)

パートやアルバイトで受け取った給与のうち、
65万円までは税金がかかりません。


■社会保険料控除(国保:4万円 国年:18万円)

東京都特別区の国民健康保険料均等割額は23歳の場合、
減額措置が無ければ最低年間40,200円掛かります。

また、平成24年4月以降の国民年金保険料は月額14,980円なので
年間179,760円となりますが、ここでは分かりやすいように
端数調整をしています。

雇用保険は適用対象外とします。


■一時所得の特別控除(50万円)

一時所得の定義は以下のようになっています。

一時所得とは、営利を目的とする継続的行為から生じた所得以外の所得で、
労務や役務の対価としての性質や資産の譲渡による対価としての性質を有しない
一次の所得をいいます。


【参考】「一時所得」(国税庁タックスアンサー)
URL:http://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/1490.htm


上記に該当するようなケースは、

・懸賞金や福引の金品、競馬や競輪の払戻金
・生命保険の一時金や損害保険の満期返戻金や解約返戻金
・法人から贈与された金品
・遺失物拾得者や埋蔵物発見者の受ける報労金等


と事例があがっています。


ちなみに個人が受け取る株主優待は一時所得ではなく、概ね雑所得です。
(→所得税法基本通達・法第24条<<配当所得>>関係


一時所得の範囲で狙える現実的な所得は、

・生命保険の解約払戻金を狙う
・雑誌で懸賞金を狙う
・競馬で払戻金を狙う
・埋蔵金を狙う


辺りでしょうか。



これで控除額が出そろいました。
課税されない所得金額は

35万円+65万円+22万円+50万円=172万円

となります。

一時所得がクリア出来るかどうかが勝負の分かれ目と言った所でしょう。



【損益通算を利用する】

最も代表的な者は不動産投資や何かしらの事業を行い、
不動産所得や事業所得の損失と給与所得との損益通算で節税を行う方法でしょうか。

【参考】「損益通算」(国税庁タックスアンサー)
URL:http://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/2250.htm

事業所得が200万円の赤字で給与所得控除後の金額が200万円であれば、
損益通算する事で課税額されない事になります。
つまり、損益通算を利用すれば課税されないで働く所得の金額の上限が無い事になります。
(損益通算できない所得は除く)

この辺りは兼業投資家・副業の利点でもあります。
なお、分離課税対象の損失(上場株式等の損失)は給与所得との損益通算は出来ません。



【非課税所得を利用する】

所得税法第9条には「非課税所得」が規定されています。


【参考】「所得税法 第九条第一項第九号」
URL:"http://law.e-gov.go.jp/cgi-bin/idxrefer.cgi

【参考】「所得税法施行令 第二節 非課税所得」
URL:http://www.gyosei.co.jp/home/pickup/3180019/zeiroku_horei/32002000001.html


この中から現実的に利用できそうなものを抜粋すると、

・交通費として支給を受け差額を浮かす(所得税法施行令第二十条の二 非課税とされる通勤手当)
・生活用動産の処分(所得税法施行令第二十五条 譲渡所得について非課税とされる生活用動産の範囲内)
・ノーベル賞等の報奨金や恩賜賞を得る(所得税法第九条十三項)
・オリンピックで活躍し、報奨金を得る(所得税法第九条十四項)



となりそうです。

生活用動産の場合は反復継続して行っている場合、
事業所得になる可能性も出てくるのでその点は注意です。


※当せん金付証票法による当せん金品(主に宝くじ)は非課税ですが、
 ここでは考慮に入れません。



今回のお題の話は以上となります。

【スポンサードリンク】

社食がタダは課税対象?

法人の節税について調べていたら、
以下のような面白い通達を見つけました。


「No.2594 食事を支給したとき(国税庁)」
URL:http://www.nta.go.jp/taxanswer/gensen/2594.htm

役員や使用人に支給する食事は、次の二つの要件をどちらも満たしていれば、
給与として課税されません。

(1) 役員や使用人が食事の価額の半分以上を負担していること。
(2) 次の金額が1か月当たり3,500円(税抜き)以下であること。
 (食事の価額)-(役員や使用人が負担している金額)

 この要件を満たしていなければ、食事の価額から役員や使用人の負担している金額を
差し引いた金額が給与として課税されます。


仮に就業規則で定められた所定の勤務日数が一か月20日だった場合、
1日あたり差額175円までは会社が負担しても福利厚生費の経費として認められ、
役員や使用人にも給与として課税されないという事になります。


さて、ここで2つの疑問点が発生します。

1.上記金額には食材以外の経費が含まれるのか?
2.社食が無料の場合、経費としては認められず役員や使用人も給与として課税対象となるのか?


です。


まずは1の疑問から見てみましょう。


上記通達内には、

「社員食堂などで会社が作った食事を支給している場合には、
 食事の材料費や調味料など食事を作るために直接かかった費用の合計額」

と記載されていますので、
人件費や家賃費用、水道光熱費等は考慮する必要が無いのかもしれません。

そうすると、仮に食事代として月額5,000円(1日あたり250円)を徴収した場合、
企業が負担する3,500円と合わせて、1日あたり425円原価の食事まで出してOKなわけですから、
飲食店の食材原価率が35%とした場合、外で食べると1,214円する食事を提供している事と
同じ、という事になります。

実際は企業が別で負担している人件費等分をその中から差っ引くでしょうから
もっと提供される金額は安い物とはなるかと思いますが、
それでも社食のありがたさが分かるという物です。


次に2の疑問を考えてみましょう。

2は結論から言ってしまえば課税される、と考えるのが相当と思われます。
何しろ、いくら1日あたりの提供金額を175円以下に抑えたとしても、
もう一つの条件である「食事価額の半額負担」を満たさなくなるからです。


となると、社食を無料にしている会社は一体どのような経理処理になってるのでしょうか?
社員の給与明細には「食事手当」として一定額が加算されているのでしょうか?

某R社あたりの給与がどうなっているのか、
ちょっと気になる所ですね。

【スポンサードリンク】

日本版ISAの利用方法を考える(1)

日本版ISAについて、
今日は具体的な利用方法を考えてみようと思います。

日本版ISAについての詳細は以下のサイトが分かりやすいため、

ここでの具体的な説明は省きます。

「日本版ISA(日興アセットマネジメント)」


読むのが面倒!と言うかた向けて簡単に申し上げると、
口座内で取引される株や投資信託の配当や譲渡所得について
非課税となる制度の事です。


では、具体的にどのようなケースで利用が想定されるか
案件を出してみましょう。



<日本版ISAの利用方法を考える。>


1、確定拠出年金個人型との制度の違い

日本版ISAの口座内での譲渡益は原則「非課税所得」です。
なので、合計所得には加算されない可能性があるわけです。

この場合、確定拠出年金個人型に加入できない
第3号被保険者(サラリーマンの配偶者で主に専業主婦(夫))
に運用のチャンスがあるように思います。

普通に特定口座源泉徴収ありで取引した場合でも、
譲渡益は課税対象ではありますが、源泉徴収されるため、
合計所得に加算されず、従って社会保険の被扶養者判定に影響を与えません。

しかし、日本版ISAの口座内で、口座存続期間内に
譲渡益を確定させた場合、非課税となるため、
合計所得にも加算されず、売却までに受け取った配当金も含め
全ての負担がゼロとなるわけです。

であるならば、夫(妻)の社会保険の被扶養者から外れることなく
収益を上げられる可能性があるわけです。


<続く>

【スポンサードリンク】

生命保険を利用した税金対策(年金対策編2)

昨日は控除対象の個人年金保険についての概要でした。
本日は個別の税金について入る前に、個人年金の各種類に関してです。

個人年金保険には以下の様な種類があります。


(1)終身年金
(2)保障期間付き終身年金
(3)確定年金
(4)有期年金
(5)夫婦年金

※(4)、(5)は別に保障期間付き有り

(1),(2)はその名の通り、被保険者が生存している限り年金を受け取れるタイプです。
(1)ですと、被保険者が年金受給開始から短期間で死亡した場合、
年金の支払はその時点で終了します。

(2)の場合は、保障期間であれば被保険者の生存に関係無く年金は支払われ、
保障期間後は被保険者の生死に左右されます。
(1)と異なり、保障期間中であれば残りの期間の年金又は一時金が受け取れます。

(3)の場合は支払われる期間が予め確定している年金タイプです。
被保険者の生死に左右されること無く、仮に死亡した場合は
遺族が残存期間分の年金又は一時金を受け取ることが出来ます。

(4)は10年、15年と期間を決めて支払われる保険タイプです。
途中で被保険者が死亡した場合は保険期間が例え満了前でも、
その時点で支払が終了となります。
保障期間付きとした場合、保障期間内で被保険者が死亡した場合は
残存期間分の年金又は一時金を受け取ることが出来ます。

(5)は終身年金の保障を広くしたタイプで、
被保険者が死亡してもその配偶者が生存している限り年金が支払われる事になります。
当然保障を広くする分、元の終身年金ほどは年金を貰えなくなりますが、
もしもの時に配偶者の生活を保護する保険として活用できます。
こちらも保障期間付きの商品があり、
この場合は保障期間内で被保険者と配偶者いずれも死亡した場合、
残存期間分の年金を相続人が一時金で受け取ることになります。


以上のように個人年金でも様々な形式で保険料が支払われる事になることが
わかるかと思います。

どのケースでどの税金が掛かるのか、
若干調べなければならない点も御座いますので、
暫くお時間頂いた後の掲載となるかと思います。

<関連記事>
生命保険を利用した税金対策(相続対策編1)
生命保険を利用した税金対策(相続対策編2)
生命保険を利用した税金対策(年金対策編1)

テーマ : 医療保険・生命保険
ジャンル : ライフ

【スポンサードリンク】

記事内検索フォーム
プロフィール

楽天家業

Author:楽天家業

 大学在学中から事業でお金を貯め、それを元手に卒業後は個人トレーダーとして生計を立てていました。(現在はトレード業務一部復活)

 2008年のリーマンショック時に信用取引による過剰リスク状態で惨敗。そんな手痛い経験もあり、このままの人生で良いのかと自分を見つめ直し、同年からウェブサイトの作成業務、2009年からは独立系FPとして相談業務を行うため、自分の経験を活かして日夜、ファイナンシャルプランナーの分野で活動を行っています。

<略年表>
2009年9月AFP登録
2011年7月CFP登録

 現在、主にFP法人様や執筆関連でお仕事承っております。

最新記事
月別アーカイブ
最近読んだお勧め本

僕はミドリムシで世界を救うことに決めました。(出雲 充)

【書籍の解説】不可能と言われていたミドリムシの大量培養に成功し、食糧問題からエネルギー問題まで解決の糸口に繋がる手法を模索する社長さんが書かれた本です。
 事業自体はミドリムシ入りのクッキーが世の中で話題になった頃合いに知ってはいましたが、元を辿れば旧ライブドアに直接出資して貰っていた経歴がある等、紆余曲折あって様々な艱難辛苦を乗り越え、少なからず各専門分野の人達に共感を得て徐々に資本関係を構築し、様々なサポートがあって倒産危機を乗り越えながら泥臭く経営してきたという想像だにしない様々なエピソードを持っている事をこの本で知りました。
 上場と言う華々しさに至るまでの苦難の道のりを是非ご覧いただきたいと思います。

アクセスカウンター
09/2/11~
twitter
RSSリンクの表示
リンク
相互リンク随時募集中!
カテゴリ
QRコード
QR