保険の見直しには必ず確認を!高額療養費制度と支給要件(3)

最初の記事→保険の見直しには必ず確認を!高額療養費制度と支給要件(1)

>後還付は3カ月先 高額療養費は限度額適用認定証を先に取得しましょう


前の記事で、わざわざ元の金額を提示したのは訳があります。
ある作業をしなければ、高額療養費の支給を受ける前に
先に病院側へ医療費の全額を支払う必要があるからです。
(ここでは289,000円が支払う額)

高額療養費の支給は何もしなければ還付金が受け取れるのは3ヶ月後になります。
その間に生活費等で困った場合は、貸付制度がありますので特に問題はないのですが、
どうせなら先に「申請作業」を行って、払う額自体を減額しておきましょう。


>限度額適用認定証の交付を受ける


限度額適用認定証とは、
病院での毎月の医療費支払時に、
高額療養費支給後の費用が計算された支払額に
自動的に計算してくれる制度です。

先程のケースでいえば、
6月分の支払時には本来195,000円先払いしなければならない所、
自己負担限度額の83,930円を支払えばよいことになります。

これは生命保険や医療保険、傷害保険に加入しておらず、
あまり預貯金の余裕が無くて一時払いが難しい人は必ず必要な制度です。
(とはいえ、最近はクレジットカードでの決済も可能ですから
現金不足と言う点だけでの優位性はそれほどでも無いのかもしれません)

限度額適用認定証の交付を受けるには、対象加入健保に電話で連絡し、
必要書類を提出すれば、期間1年の認定証が交付されることになります。

交付希望の方は、各自の加入する健保、国保で制度が若干異なるようですので
まずは各団体にお問い合わせを。


>高額療養費を受けても医療費控除は受けられるのか。

高額療養費の支給を受けた場合も医療費控除は受けられます。

高額療養費で支給を受けた金額を医療費から差し引いて、


・10万円

または

・総所得金額等の合計額×5%


いずれか少ない方をその医療費の残額から差し引いても残る場合、
その残額が医療費控除の対象になります。

医療費控除に関しての詳しい内容はこちら


医療費控除を受ける場合は領収書等が必要ですので、
必要な分はしっかり残して置きましょう。

ちなみに、入院中の食事は医療費控除の対象となりますが、
テレビや冷蔵庫などのレンタル使用料は医療費控除の対象となりません。
また、差額ベッド代も医療費控除の対象にはなりませんので注意しましょう。


以上で高額療養費についての説明は終了です。



関連記事→保険の見直しには必ず確認を!高額療養費制度と支給要件(1)
関連記事→保険の見直しには必ず確認を!高額療養費制度と支給要件(2)

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保険の見直しには必ず確認を!高額療養費制度と支給要件(2)

>(例)6月25日に骨折、手術後20日間の入院をした場合の高額療養費(一般)

2009年12月4日修正
(「ベッド代」となっていた部分を、誤解の無いように「入院料(主にベッド代)」に変更しました)

・全体の医療費(保険適用前で計算)(※ あくまで概算)

手術代 380,000円
入院料(主にベッド代):15,000円×20=300,000円
各種治療費(初期2日):30,000×2=60,000円
各種治療費(残りの期間):5,000×18=90,000円
食費:1,500×20=30,000
テレビ:500×20=10,000

※ 入院料(ベッド代)はいわゆる差額ベッド代ではなく、保険適用内のベッド代です。

保険を適用する前の医療費 830,000円(3割負担で249,000円)
その他費用 40,000円

20日間で実際にかかる費用 289,000円


限度額は月ごとに設定されています。

例えば、6月20日に入院した場合、
6月20日から6月30日までに支払った医療費が初月の対象期間、
そして、7月1日から7月31日までの医療費が次の対象期間となります。

入院や治療をした日から1か月では無いのでその点は注意して下さい。


では、上記計算結果から、
高額療養費対象期間を分け、自己負担額を計算すると、

・6月分(11日間)
手術代 380,000円
各種治療費(初期2日):60,000円
各種治療費(残りの期間):45,000円
入院料(主にベッド代) 165,000円 (上記ここまで650,000円)
その他費用:22,000円(保険適用外費用)

自己負担限度額:80,100+(650,000-267,000)×1%=83,930円
実際の自己負担額(保険適用後):195,000円(650,000×3割負担)
負担限度額との差:195,000-83,930=111,070円

・7月分(9日間)
入院料(主にベッド代): 135,000円
各種治療費(残りの期間):45,000
その他費用: 18,000円(保険適用外費用)

自己負担限度額: 80,100+(180,000-267,000)×1%=79,230円
実際の自己負担額(保険適用後):54,000円
負担限度額との差:54,000-79,230=-25,230円

となります。


>高額療養費支給額の計算


6月分は自己負担限度額との差、

111,070円

が、高額療養費として支給される金額となります。

7月分は残念ながら適用対象外でした。

以上から、まとめると、


支払総額
保険適用内費用:249,000円
保険適用外費用:40,000円
高額療養費支給額:111,070

実際に掛る医療費総額:177,930円

という結果になりました。

次回は後還付より先に減額!高額療養費の限度額適用認定証についてです。


続き→保険の見直しには必ず確認を!高額療養費制度と支給要件(3)


関連記事→保険の見直しには必ず確認を!高額療養費制度と支給要件(1)
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保険の見直しには必ず確認を!高額療養費制度と支給要件(1)

突然の事故や病気で入院した場合、傷害保険や医療保険に加入していれば
取り合えず安心と考える方も多いと思います。

しかし、高額の医療費は収入によって負担する限度額が
予め決められているのはご存知でしょうか?

この制度をしっかり理解しておけば、
高い保険や意味のない保険に加入する必要が無くなりますので
経済的な問題で、保険の見直しを考えている方、
急な病気や怪我で医療費がかさんでしまった方は
必ず確認して下さい。

>高額療養費制度とは?

高額療養費制度とは、医療費の自己負担額を
収入に見合った金額まで限度額を引き下げる制度です。

ただし、保険外の治療や入院時の食費・差額ベッド代、
テレビなどのレンタル料などは医療費に含まれませんので
その差額分は適用対象外となります。

純粋な保険適用内の医療費に関して限度額が設定されているわけです。

では、収入や年齢によって限度額がどうかわるかを計算してみましょう。
(ここでは政府管掌健康保険に関する70歳未満のケースのみ記載。70以上はこちらを参照

<70歳未満の医療費の自己負担限度額(1か月あたり)>
標準報酬月額 自己負担額の計算 年間4回目以降の受給者
53万円以上 150,000+(総医療費-500,000)×1% 83,400
住民税非課税世帯(生活保護受給者など) 35,400 24,600
上記のいずれにも当てはまらない一般所得者 80,100+(総医療費-267,000)×1% 44,400


※収入の算定基準は標準報酬月額です。
標準報酬月額は社会保険料の等級を決定する額として使われています
(原則4-6月の平均給与収入 交通費含む、賞与含まず)

標準報酬月額がわからない人はねんきん特別便の厚生年金の標準報酬月額欄欄を参照するか、
下記にある表から自分の給与や社会保険料を当てはめてみて、
自分の等級を各自探してみてください。
社会保険庁:標準報酬月額表

次のエントリーでは例を使用して具体的な高額療養費の計算を行います。


続き→保険の見直しには必ず確認を!高額療養費制度と支給要件(2)


関連記事→保険の見直しには必ず確認を!高額療養費制度と支給要件(2)
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Author:楽天家業

 大学在学中から事業でお金を貯め、それを元手に卒業後は個人トレーダーとして生計を立てていました。(現在はトレード業務一部復活)

 2008年のリーマンショック時に信用取引による過剰リスク状態で惨敗。そんな手痛い経験もあり、このままの人生で良いのかと自分を見つめ直し、同年からウェブサイトの作成業務、2009年からは独立系FPとして相談業務を行うため、自分の経験を活かして日夜、ファイナンシャルプランナーの分野で活動を行っています。

<略年表>
2009年9月AFP登録
2011年7月CFP登録

 現在、主にFP法人様や執筆関連でお仕事承っております。

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