「日本人の傾向からみる生活保障問題」~生命保険と社会保障の関係性と望ましい姿~



貴方は生命保険に入っていればなんとなく安心だと思っていませんか?
そのような曖昧さで多額の生命保険料を支払っていませんか?

また、漠然と不安だからと言って、無目的に預貯金ばかりを増やしていませんか?

まずはその考えを改めましょう。
多くの日本人が考えている預貯金や生命保険に対する捉え方を図にしてみました。






生活費の重要度の位置づけは高い順から、


 1、保有資産(住宅や預貯金等(あえてここでは負債を除いています))
 2、経常所得(給与や事業収入)
 3、臨時所得(資産の譲渡や親からの贈与等)
 4、生命保険(2,3の範囲も含む)
 5、社会保障(1~4の範囲も含む)



となっています。

ですが、もう少し細かく言えば実際の所は
以下のような認識ではないでしょうか?






上記の図のように、社会保障制度でどの範囲まで保障されているかを
把握せずに
、生命保険で必要な保障額を補おうとする為、
多額の生命保険料を負担せざるを得なくなっているケースが多く見受けられます。


そして、次の図のように生命保険の保障が無くなると、
社会保障で保障されている範囲もわかっていない為、不安にかられます。





更に、ただ漠然とした心の不安を取り除こうと
保有資産を増やし続けるような行動を取り続ける事になります。





このように多くの人が認識しているイメージ図では、
自分が何をして良いか分からない為、結果的に資産を増やそうとする
バイアスがかかっている事がわかります。

なんとしても、無目的の貯金だけは回避せねばなりません。
若い人がただ一度の人生を、老後と有事の為に費やすのは正直健全とはいえません。
そこで、望ましい保障と保険の関係性を探っていきましょう。






まずは初めの図に戻って、それぞれの資産・収入・保障の
重要性と必要性から確認して行きましょう。







これだけは初めに言っておきます。
保有資産が多ければ働かなくても、保障がなくても生きていけます。
その為、資産を増やすと言う行為自体は間違ってはいないのです。

ですが、それも限度と言うものがあり、
そもそも働かなくてよくなるほどの資産を増やそうとしたら、
それこそ働けなくなるほど働くか、それなりの資産を稼げる職に付くか、
リスクを多く取って運用で増やすしかありません。

また、初めから資産を受け継ぐか、玉の輿を狙うと言う方法もありますが、
ここではあえて現実的に考えてみましょう。


大卒の男性サラリーマンの生涯年収が3億円と言うのは
なんとなく小耳にはさんだ事のある方が多いと思いますが、
ここで言う年収は税金や社会保険料等を控除する前の金額ですから、
少なくとも3億円あれば家族が4人いても
特に不自由なく暮らせるとも考える事が出来るわけです。

3億円という資金が一つの目安であり、
それがあれば他に保障はいらないわけですから、
イメージ図の階層として保有資産が第一の土台部分としての役割を
十分に機能している点は納得される事と思います。


また、その逆として資産や収入がなくても最低限の生活の保障を
国がしてくれている事もご存じだとは思います。

これが社会保障のうちの生活保護給付に辺り、
図の保有資産と社会保障が交差した点線で覆われた部分になるわけです。





次に、一般の世帯では経常所得として事業所得や給与所得が存在します。

更に臨時所得として一時的に得られた所得や資産を譲渡して発生した所得、
他の人から頂いた所得が発生します。
親から贈与を受けたとか、株式や不動産を売って利益が出た時がこれに当たります。

これらを合わせた上に、更に生命保険に加入して、
臨時の支出に対して防衛線を張るわけですが、
果たして、この図から考えるに、社会保障制度による保障内容を全く知らずに
生命保険で全ての保障を賄おうとしている方が結構いらっしゃるわけです。

当然、今後の日本の行方を危惧して社会保障が成り立たなくなるだろうから、
自衛の為に色々と加入しているんだというお考えならば問題はないのですが、
初めにも申し上げたように、ただ何となく漠然と不安だから
加入しているというならば、これほど勿体ない物はないわけです。

本来であれば生活費の保障の捉え方は以下のような図である事が
望ましいと私は考えています。





保有資産が全ての土台である事は変わりません。
ですが、そのすぐ上に社会保障がやって来ます。

社会保障の中には当然国民年金や厚生年金が含まれます。
国民年金や厚生年金加入者が死亡した場合や障害を負ってしまった場合の
遺族年金や障害年金も入っています。

また、医療保険から支給される医療費の7割分の給付(窓口では本人3割負担)や、
高額療養費、健康保険組合等から追加で給付される付加給付部分も含まれます。
病気で4日以上連続で休んでしまった時に出る傷病手当金や、
会社を退職した時の雇用保険の失業給付等も入ります。

事業主の方の場合は国民年金基金や小規模企業共済も含まれます。

社会保障には文字通り、生活上必要な保障が様々な形で含まれていますから、
この上に更に経常所得である給与所得や事業所得、
臨時的に発生する所得があり、最後に収入の不足分を補う為の
生命保険が来る形の方が自然であり、決まりがよさそうだと
思って頂けますでしょうか?


節税目的やその他の目的で生命保険を利用している場合を除いて、
生命保険が全ての生活の保障の基盤としてはいけないと思っています。

生命保険は今後発生する回避が難しいリスクで、そのリスクが発生した時に
社会保障や経常所得、預貯金だけではどうにも対処できない物に対して
それを補う為のものでなければなりません。

そう考えなければ、あれもこれもと保障を増やして余計な保険料を払い続ける事になり、
結局今の生活を苦しめる事に繋がるわけです。


しかし各家庭ごとに生活の実態によって
社会保障で補える範囲が異なりますし、
それによって必要な保障というのは千差万別です。

自分だけで調べても分からないと言う方は、
まずは自治体や各種社会保障を提供している団体に聞いて頂き、
それでも分からない場合は専門家の意見を聞いたり、
そういったセミナーに参加する事で理解を深めて行きましょう。

今貴方がこれらの問題に時間を投資すれば、
自分が死ぬまでに多くのリターンを得る最良の投資先となるでしょう。


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Author:楽天家業

 大学在学中から事業でお金を貯め、それを元手に卒業後は個人トレーダーとして生計を立てていました。(現在はトレード業務一部復活)

 2008年のリーマンショック時に信用取引による過剰リスク状態で惨敗。そんな手痛い経験もあり、このままの人生で良いのかと自分を見つめ直し、同年からウェブサイトの作成業務、2009年からは独立系FPとして相談業務を行うため、自分の経験を活かして日夜、ファイナンシャルプランナーの分野で活動を行っています。

<略年表>
2009年9月AFP登録
2011年7月CFP登録

 現在、主にFP法人様や執筆関連でお仕事承っております。

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