長寿リスク対策 国民年金の任意加入期間中に国民年金基金への加入が可能に

国民年金には任意加入制度があります。

これは、強制加入期間である20歳から60歳までの間に未納期間がある場合、
その未納月数を上限として60歳以降65歳まで任意で加入し、
年金が支給される必要年数である25年に近づけたり、
受取年金額を満額に近づけることが出来る制度です。
(65歳まで任意加入しても25年に満たない場合は65歳以降70歳まで加入できます)


現行の制度は学生も含め強制加入ですが、任意加入時代だった時期もある為、
当時自分の親が代わりに支払ってくれていたケース等でない限り、
未納期間は2~3年程度ある人が多いのが現状です。

そういった未納期間がある人が利用する任意加入制度ですが、
今までも「付加年金」という制度を利用して、国民年金の受取額を
ほんの少しですが増やす方法はありました。


しかし、今年の8月に年金関連の法律が一部改正され、
60歳以降の任意加入期間中は加入を認められていなかった
国民年金基金への加入が可能になるようです。
国民年金基金への加入に関する改正法施行は公布日から2年以内なので、まだ当分先です




「国民年金及び企業年金等による高齢期における所得の確保を支援するための国民年金法等の一部を改正する法律(通称:年金確保支援法)」
  1.国民年金法の一部改正③ 参照
URL:http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/nenkin/nenkin/dl/110815-01.pdf




国民年金基金とは、自営業者や学生、厚生年金に加入していない非正規雇用者等の人で構成される
国民年金第1号被保険者の人が、厚生年金に加入しているサラリーマンの人に比べて
将来の年金額が少ないという問題点を解消する為、いわゆる年金の二階建て部分
(一階部分は国民年金)を補う目的で導入された公的な年金制度
です。

掛金は全額所得控除の対象で、基本的には終身で受け取れる年金です。


終身で受け取れるわけですから、長寿リスク対策には利用しやすい制度と言えます。
しかし、国民年金基金へ加入した場合、付加年金への加入は出来なくなりますので、
相対的にどちらへの加入が得かを判断する必要があります。


キーポイントとなるのは、所得控除がある事です。
当然ながら所得のない人がこの制度に加入しても所得控除を十分に受ける事が出来ず
将来の受取年金だけで損得が判断されます。

逆に、60歳以降もパート等や個人事業等で働きながら任意加入する人にとっては
所得控除によって税金の納付額を引き下げる事で実質的な保険料負担を減らす事が出来ます。


今後年金制度が大幅に改正され、
60歳以降も働かなければならない世帯が増えると考えれば
後者に属する人が増加してくるものとは思われます。

しかし、厚生年金に加入している人は国民年金の任意加入制度を利用できない事を考えると、
一般的なサラリーマン世帯であれば60歳定年・再雇用となるケースが多いため、
任意加入はおろか、付加年金や国民年金基金と縁が無いことになります。


あるとすれば、60歳定年時に継続雇用の契約内容が折り合わずアルバイト等へ切り替える、
或いは非正規雇用での再契約へ切り替える事で常勤体制をやめ、
任意加入可能な雇用契約となった場合利用する事になると思います。

また、第3号被保険者であった比較的収入の多い専業主婦が、
夫が厚生年金をやめる事で第1号被保険者となる事で強制加入適用者になり、
或いは60歳以降の任意加入適用者に該当する事になった場合、
強制加入期間中等から60歳以降も継続して国民年金基金に加入する事で
女性の長寿リスクへの対策を取れることになります。


自営業者は言うに及ばす、単身で60歳以降も働く人であれば
当然選択肢の一つになると思います。



立場によって全く異なってくるこの制度、
実際のケースで試算したい所ですが、国民年金基金のHPには
60歳以降の保険料や受け取り年金額がどのようになるか表記されておりませんので
今回は制度の説明のみとさせて頂きます。


【参考資料】

国民年金の任意加入・国民年金基金・付加年金制度について(旧・社会保険庁HP)
URL:http://www.sia.go.jp/seido/gozonji/gozonji04.htm

国民年金基金HP
URL:http://www.npfa.or.jp/
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大きな一歩ですね

この情報は面白いですね。
国民年金基金の任意加入が認められたのは大きな一歩です。
ただ、国民年金基金の場合は過去の高い利回りを保証しなければならない人たちがいるので、逆ザヤが生じないようにする為には基金への加入を増やす必要があり、今は加入資格がある人に積極的に進めています。
しかし、年金の選択肢が増えることは良い事です、401Kでは60歳までの拠出が認められていますが、それ以降は掛け金を拠出できません。
そうなったら国民年金基金を使うのが現実的かも知れません。

Re: 大きな一歩ですね

タカちゃん 様
コメントありがとうございます。

現状では試算ができませんが、
選択肢が増える事は良い事ですね。

ただ、現在出ている55歳以降の保険料と受取年金額をベースに考えると、
男性で16,7年後、女性で19~21年後に元本が返ってくる程度であり、
保険料を節税に利用できない人の場合は単純に加給年金を掛けた方が
手元現金の減少も抑えられるので、そちらを優先される方も多いかもしれません。

長寿リスクより手持ち現金が枯渇するリスクを考えなければならない
財政状況の方もいらっしゃるでしょうし。

この辺りは個々人で所得状況が異なるの為、現況次第ですね。
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楽天家業

Author:楽天家業

 大学在学中から事業でお金を貯め、それを元手に卒業後は個人トレーダーとして生計を立てていました。(現在はトレード業務一部復活)

 2008年のリーマンショック時に信用取引による過剰リスク状態で惨敗。そんな手痛い経験もあり、このままの人生で良いのかと自分を見つめ直し、同年からウェブサイトの作成業務、2009年からは独立系FPとして相談業務を行うため、自分の経験を活かして日夜、ファイナンシャルプランナーの分野で活動を行っています。

<略年表>
2009年9月AFP登録
2011年7月CFP登録

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