給与所得者の所得税実効税率は3.9%!?意外と低い所得税の負担率

ここで言う所得税は国税であり、住民税は除きます

皆さんは所得税をいくら支払っているかご存知でしょうか?
意外と直ぐに答えられる方が多くないのが現状だと思います。

それもそのはず、
お給料を頂いてるお勤めの方は毎月の支給額から定期的に税金が天引きされており、
更に何かしらの控除(生命保険料控除や配偶者控除)を受ける時も
年末調整という形で会社にその雑務を肩代わりしてもらっているからです。

ただ、1年に一回必ず会社から発行される源泉徴収票を確認すれば
自分が給料に対して何パーセントの税金が差し引かれているのか、
直ぐに確認できますので一度計算してみるのも良いかもしれません。


さて、そんな所得税についてのお話ですが、実際の所、
世間様では平均してどの程度の負担となっているのでしょうか?

また、所得税を支払っていない人はどのくらいいるのでしょうか?

そんな疑問に答えてくれるのが、国税庁が毎年発表している
民間給与実態統計調査」になります。


「平成22年分 民間給与実態統計調査」(国税庁長官官房企画課)
URL:http://www.nta.go.jp/kohyo/tokei/kokuzeicho/minkan2010/000.pdf(PDF)


今回調べたいのは給与額ごとの所得税の負担率ですから、
統計の第16表「給与階級別の納税者数・非納税者数(※)」を利用します。

※ URL:http://www.nta.go.jp/kohyo/tokei/kokuzeicho/minkan2010/pdf/16.pdf(PDF)

データ内のうち、「1年を通じて勤務した給与所得者」の調査結果から、
給与額に対する実効税率を計算した結果が以下の図になります。


図1「給与所得者の給与額階級別実効税率表1」
給与所得者の給与額階級別実効税率表1


図2「給与所得者の給与額階級別実効税率表2」
給与所得者の給与額階級別実効税率表2


ざっと見て、意外と所得税の支払いって少ないんだなと感じた方が多いかもしれません。
全体の実効税率が3.9%、納税者だけに限っても4.3%しか掛っていません。
また、1年間働いている人でも納税対象となっていない人が全体の18%もいます。

これは預貯金等の利子所得にかかる源泉分離課税15%(住民税分5%)や、
上場株式等の譲渡所得にかかる申告分離課税7%(住民税分3%)、
更には所得税自体の最低課税率5%(住民税10%)に比べても著しく低い数字が出ています。

なぜこのような事が起きるのでしょうか?

それは、各種所得控除と税額控除に起因しています


下記の表は各給与額の人が最低限受けられる各種所得控除を概算計算し、
税額を出す事で給与額に対する実効税率を計算したものです。


図3「給与所得者の所得控除後の実効税率表」
給与所得者の所得控除後の実効税率表


そして、先ほどのデータと合わせたグラフが以下の通りになります。


図4「給与所得控除後の金額を加味した実効税率推移」給与所得控除後の金額を加味した実効税率推移
赤線 図2の給与額別実効税率(納税者)
青線 図3の給与額別実効税率


給与所得控除他、各種所得控除が影響してこのような実効税率となっている事が
お分かり頂けるかと思います。

また、中間所得層は比較的チャートの乖離が大きくなっています。
これは基礎控除以外の所得控除(配偶者控除・扶養控除)や、
住宅ローン減税等を加味した税額控除による影響が大きいものと思われます。


これらのデータから言える事は、


1.低所得者層の税負担率は低く、500万円以下全てを合わせても税徴収総額の2割程度しかない
2.所得の中央値辺り(400~500万)前後でも実効税率は2%に過ぎない。
3.所得上位4%(1000万超)だけで、税徴収総額の5割は負担している
4.最高税率は40%だが、平均すれば実際は30%も掛けられていない
5.所得税の課税率はその他の租税負担率と社会保障負担率と合わせてバランスを考える必要があり、
  安いから一概にダメだとは言い切れない


等が挙げられるかと思います。

こう考えると、全世帯に一律で掛ってくる消費税を数パーセント単位で引き上げるという事が
どれだけ重い事なのか、少し実感できたような気がします。

関連記事

【スポンサードリンク】

コメントの投稿

非公開コメント

No title

給料所得者(サラリーマン)は給料所得控除等の領収書なしの経費計上により、自営業者よりも相当に税金が安いと聞きます。
(例えば、サラリーマンで額面500万の人が実際に経費としての支出が154万以上であれば、自営業者と同じ税率ですが、それ以下であると、自営業者よりも税率は安くなり、実態としては合法脱税となっているらしい。)
サラリーマン(実際の経費を50万、100万等と仮定した場合)と自営業者の税率比較も面白いと思います。

記事内検索フォーム
プロフィール

楽天家業

Author:楽天家業

 大学在学中から事業でお金を貯め、それを元手に卒業後は個人トレーダーとして生計を立てていました。(現在はトレード業務一部復活)

 2008年のリーマンショック時に信用取引による過剰リスク状態で惨敗。そんな手痛い経験もあり、このままの人生で良いのかと自分を見つめ直し、同年からウェブサイトの作成業務、2009年からは独立系FPとして相談業務を行うため、自分の経験を活かして日夜、ファイナンシャルプランナーの分野で活動を行っています。

<略年表>
2009年9月AFP登録
2011年7月CFP登録

 現在、主にFP法人様や執筆関連でお仕事承っております。

最新記事
月別アーカイブ
最近読んだお勧め本

僕はミドリムシで世界を救うことに決めました。(出雲 充)

【書籍の解説】不可能と言われていたミドリムシの大量培養に成功し、食糧問題からエネルギー問題まで解決の糸口に繋がる手法を模索する社長さんが書かれた本です。
 事業自体はミドリムシ入りのクッキーが世の中で話題になった頃合いに知ってはいましたが、元を辿れば旧ライブドアに直接出資して貰っていた経歴がある等、紆余曲折あって様々な艱難辛苦を乗り越え、少なからず各専門分野の人達に共感を得て徐々に資本関係を構築し、様々なサポートがあって倒産危機を乗り越えながら泥臭く経営してきたという想像だにしない様々なエピソードを持っている事をこの本で知りました。
 上場と言う華々しさに至るまでの苦難の道のりを是非ご覧いただきたいと思います。

アクセスカウンター
09/2/11~
twitter
RSSリンクの表示
リンク
相互リンク随時募集中!
カテゴリ
QRコード
QR