【相続対策】相続財産が5,000万円以下の方が本当にトラブルが多いのか?統計で見る遺産分割調停事件

家庭裁判所で行われた遺産分割調停のうち、
相続財産5,000万円以下のケースが75%を占めている。
だから相続財産が少なくても対策が必要だ。

という論調が見受けられますが、
これは若干ミスリードな解説です。


確かに、家庭裁判所の下記資料(※)を見ると1年間に結審した7,872件の裁判のうち、
5,000万円以下の件数が5,729件あり、その比率は73%に上ります。

※「遺産分割事件のうち認容・調停成立件数―審理期間別代理人弁護士の関与の有無
  及び遺産の価額別―全家庭裁判所」
URL:http://www.courts.go.jp/sihotokei/nenpo/pdf/B21DKAJ51~52.pdf


ただし、実際は元となる母数が違いすぎます。


※当ブログ記事「相続トラブル防止策である限定承認は殆ど利用されていない」より
相続に関するデータ


平成21年の相続発生件数は約114万件です。
そのうち、相続税の課税対象となった件数は46,000件に過ぎません。

相続税の非課税ラインは基礎控除額5,000万円ですから、
「相続税の課税対象=相続財産5,000万円超」と強引に考えてしまえば
そのまま計算できる事になります。


先程の数字から、


「5,000万円以下」5,729件/109.4万件 比率0.5%

「5,000万円超」2,143件/46,000件 比率4.7%



となり、実際は相続財産5,000万円超の方が裁判にまで発展するケースが多いと言えるかと思います。



ちなみに、平成21年中に新たに裁判の調停が申請された件数は11,400件です。
先程の結審裁判の比率を元にそれぞれの件数を割り戻すと、
5,000万円以下の申請が8,322件、それ以上が3,078件となります。

つまり、平成21年に関しては、


「5,000万円以下」8,322件/109.4万件 比率0.8%

「5,000万円超」3,078件/46,000件 比率6.7%



が、実際の比率になります。


なんだ、1%も裁判沙汰になっていないなら対策は必要ないかも。
なんて思ってる方はちょっと待って下さい。

相続放棄が156,419件もある事を忘れないで下さい。


相続放棄は亡くなった方が資産よりも負債を多く残してしまっている場合や、
残った配偶者一人だけで夫、或いは妻の全財産を相続する為に
他の相続人(亡くなった方の親や子供)があえて放棄するだけに留まらず、
親族間での無用なトラブルを避けたいが為にあえて選択する人もいるわけです。

例えば相続財産が不動産のみで、親の介護を同居していた親族がしていた場合、
残された不動産を巡ってトラブルが発生する可能性は少なからずあります。
今の高齢者の持ち家率は9割を超えていますから、誰もが直面する事になるでしょう。


その時亡くなった方が遺言や生命保険等で対策をしていなかったら...
無用なトラブルの目は事前に摘んでおくのが残された家族の為です。
本当に親族の為を思うなら、事前にしっかりとした相続対策を取っておきましょう。

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必ずもめる相続の話
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 大学在学中から事業でお金を貯め、それを元手に卒業後は個人トレーダーとして生計を立てていました。(現在はトレード業務一部復活)

 2008年のリーマンショック時に信用取引による過剰リスク状態で惨敗。そんな手痛い経験もあり、このままの人生で良いのかと自分を見つめ直し、同年からウェブサイトの作成業務、2009年からは独立系FPとして相談業務を行うため、自分の経験を活かして日夜、ファイナンシャルプランナーの分野で活動を行っています。

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2009年9月AFP登録
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