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【書籍レビュー】デイトレード―マーケットで勝ち続けるための発想術

レビュー書籍:デイトレード―マーケットで勝ち続けるための発想術

本文からポイントのみを抜粋して掲載し、
内容に即した形で私の経験談を交え、解説していきます。

掲載する順序は書籍の記載順通りですが、
私が特に重要だと思った部分のみピックアップしていますので、
あまり気にせず読みたい所だけを読んで頂く方が宜しいかと思います。


<ピックアップ表題>

1.疑問を持つことの危険性
2.ポジションの取り方でトレーディングの8割は決まる
3.毎日考えるべきこと
4.第1の大罪 すぐに損切り出来ないこと
5.第3の大罪 時間軸を変更すること



1.疑問を持つことの危険性 ~第2章 優れたトレーダーへの精神修行~


「トレーディングの最中に「なぜ」を問うことは、自らが悩み、そしておそらくは困惑し、
結果として行動を取る事が出来ないと言う罠にはまっている兆候である。(P74)」

トレード中何度も遭遇する不可解な株価の動き。
その多くはナンピン買いし続けても一向に反転の兆しの無い状況に対して
問いかけられたりするものですが、全く無意味な行為と言えるでしょう。

株価が動く根拠は極端な話をすれば「需給」に過ぎません。
売りが買いを上回ってる。だから株価が下がる。
これ以上でもこれ以下でもありません。

持ち株が上方修正したのに株価が上がらない...なぜ?
一目均衡表の雲を抜けたのに下げた...なぜ?
これだけ買ってるのにまだ下がる、少しも反転しないのはなぜ?

これらになんの意味もありません。
トレーダーとして取らなければならない行動は一つ。
イメージした前提条件が変わっているのならさっさと損切りしてダメージを最小化し、
次のトレードへ向けた体制作りをする事です。

損切りが無意味なのは株価の将来価値を算定し、
そこに向けて買い続ける投資家の話です。
デイトレーダーに業績の後押しは余計な情報です。
目の前にある動きに付いて行く事。
そして、素早く行動する事。

負けた理由を探す意味はどこにも無いのです。
反省会は場が終わってから幾らでも出来ます。





2.ポジションの取り方でトレーディングの8割は決まる ~第2章 優れたトレーダーへの精神修行~


「すべての取引の結果は1つの要因によって決定される。つまり、いつ、どの水準でポジションをとるか、
 換言すれば、いつ引き金を引くかである。(P77)」

この文章に含まれている意味は限りなく深いと思っています。
言葉の表面だけ捉えれば、トレードは単なるマーケットタイミングの問題だと言ってるに過ぎません。
どんな銘柄を選んだとしてもタイミングさえよければ8割は勝てるという事だからです。
(それでも2割負けるのは運の問題でしょう)

しかし、私はここから更に一歩踏み込んだ解釈をしました。
「いつ」と言うのはタイミングです。ただし、どの「いつ」かは本文中には示されていません。
また、「どの水準」というのもこれと言って決められていません。
タイミングが重要と言っておきながら、そのタイミングがいつかは分からないのです。


それなら、「どの水準」から自分なりに考えてみましょう。

水準を考える上で足がかりとなりそうなのはチャートや直近の四本足です。
特に前日の高値や安値、日中の出来高加重平均価格(VWAP)等は参考になります。
VWAPとはその日の平均価格そのものですから、その日、その銘柄に参加した人の総意と
言い換えても良いかもしれません。

なら、VWAP前後では買いと売りの需給が拮抗すると考えても良いかもしれません。
と言う事は、大きく上方に乖離した状態からVWAPに向けて下落した場合、
あるいは大きく下方に乖離した状態からVWAPに向けて上昇した場合、
そのVWAPという水準では一度マーケットが反転する可能性があると
読み替える事が出来ると仮定してみましょう。

これで「どの水準」は決定されました。

続いて「いつ」エントリーすべきかを考えてみましょう。

いくらVWAPから乖離している状況とは言え、
売りの需要、あるいは買いの需要があまりにも多すぎては意味がありません。
この場合、マーケットが乖離している状況がそのまま続き、
その水準で取引され続ければVWAPも自然とその価格に近づいてくるからです。

また、一方的な動きに晒されている時に無理に動いても、
結局はマーケットに対して「なぜ」を繰り返す袋小路に陥る結果が導き出されます。
需給はデイトレードに置いては絶対法なのです。

では、特定のマーケット参加者による一方的な需給への関与ではなく、
不特定のマーケット参加者による感情に左右された需給の歪みが
一時的に発生している状況だったら?

これは乖離が修正されるチャンスと言えるでしょう。
その反転のタイミングを計るのが上記の仮定では3点あります。

・VWAPとの一定以上の乖離率を手掛かりにする
・VWAP水準に接近したタイミングに的を絞る
・板状況から買いを入れれば反転しやすい流れを作り出せる


の3点です。

3点目は1,2点目と複合的に利用できればより効果的です。
これで、「いつ」「どの水準」でトレードするかが決定されました。
後は実践、という流れに持っていけるわけです。

つまり、ここで提示された文章には表面的な意味合いだけでなく、
トレードそのもののストラテジー(取引手法と考え方)が重要である事を示しているわけです。
この辺りはシステムトレードを経験されている方はわかりやすいかもしれません。

逆に感覚的にトレードされている方はその考えにブレが大きく、
次のトレードに結果をフィードバックしにくいと言う点では
現状のアローヘッドとアルゴリズム全盛のマーケットでは若干危険を孕んでいると言えるでしょう。
ただし、感覚的な物が機械的な物に対して劣っているわけではありません。
マーケットの機微は人間的な感性でのみ捉えられる場面があるからです。





3.毎日考えるべきこと ~第2章 優れたトレーダーへの精神修行~


1)考えること 考えすぎる事はよくない事である(P122)
2)想像力 いたずらに想像力を働かせる事は問題である(P122)
3)恐怖 恐怖は知的な行動の妨げとなる(P122)
4)欲 「ブル(強気)とベア(弱気)は儲けるが、ピッグは何も得られない」(P123)
5)情報 情報がありすぎると想像力を刺激してしまう(P123)
6)期待 期待しすぎること、あるいは期待水準が高すぎることは、経験の少ない初心者である証である(P123)
7)過度な調査 過度に調査することは行動を起こす事を妨げ、不確実性を増加させる(P123)
8)希望 希望は、まさに行動が必要な時に行動を起こさないように仕向けるもの(P124)


1)考えること 考えすぎる事はよくない事である(P122)

自分のトレード手法を組み合わせたら後はひたすら繰り返す必要があります。
ある程度の領域になれば、今度は考えずとも同様の行動ができるようになるわけです。
習うより慣れろ。正し、その為にも自分のトレードの引き出しを多く持つ必要があります。


2)想像力 いたずらに想像力を働かせる事は問題である(P122)

値動きの裏に潜む理由など調べても秒単位、分単位のトレードには
値動きと言う事実以上の意味はありません。
現実に起きている事を認識し、それに従って行動すべきであり、
そこに余計な想像を働かせる必要はありません。


3)恐怖 恐怖は知的な行動の妨げとなる(P122)

恐怖は冷静な判断能力を鈍らせます。
行動は間違っていないのに金額の大きさや市場に対する懐疑心が元で
ポジションを閉じてしまう事は数知れません。

ほんのわずかな動きにすら敏感に反応し、
その後のマーケットの大きな動きを自ら手放してしまう事は、
人間が中々乗り越えられない弱点の一つでしょう。


4)欲 「ブル(強気)とベア(弱気)は儲けるが、ピッグは何も得られない」(P123)

トレーディングは大儲けを狙っても、何も言い事がありません。
直前にマーケットで大きく儲けた時や、連戦連勝を重ねている時などは要注意です。
必ず脇が甘くなり、大きなポジションを取ったり信用枠一杯までナンピン買いする事で
それまでの勝ちを吐き出す事になるからです。

トレーディングは儲けを細かく積み重ねることに力点を置く必要があります。
また、どんなに勝ち進んでいたとしても、それまでの手法を変えるべきではありません。
強気と欲深は異なります。マーケットに耳を貸さなくなった時、貴方の目は濁りきり、
知らぬ間に近づいた魔物により、腹に溜まった脂肪を無理矢理喉から引きづり出されることになるでしょう。


5)情報 情報がありすぎると想像力を刺激してしまう(P123)

マーケットには様々な情報が溢れています。
また、それに対しての考え方も千差万別です。
情報を得る事は重要ですが、多くの情報を得ようとし、
それ以上にその後の動きを想像してしまうと
トレーディングの妨げとなってしまう事があります。
重要なのは情報に対してどう株価が反応するかです。


6)期待 期待しすぎること、あるいは期待水準が高すぎることは、経験の少ない初心者である証である(P123)

当然ながらマーケットにエントリーする場合、利益が上がる事を期待して金銭を投じるわけですから
ある程度期待感をもって参入する事が常ではあります。しかし、高すぎる期待は足枷となります。
それまでのデータからかけ離れたような利益水準を期待したり、マーケットが悪環境にもかかわらず
自分のトレードだけは普段と変わらず収益が得られる事を期待したり、現実とのギャップが大きすぎる
危険な期待は避けるべきです。


7)過度な調査 過度に調査することは行動を起こす事を妨げ、不確実性を増加させる(P123)

短期のトレーディングではマーケットから得られる情報が多くあります。
この為、エントリーに至る過程を複雑化せず、その結果の分析も容易にできるよう単純化すべきです。
長期投資であれば多くの分析を必要としますが、トレーダーを目指すのであれば
行動から結果までの枠組みを一つの流れとし、トレードに不必要な調査はすべきではありません。


8)希望 希望は、まさに行動が必要な時に行動を起こさないように仕向けるもの(P124)

希望はトレーダーにとって最大の敵です。
含み損を抱えた時、ナンピンし続ければ最後は必ず自分の平均単価まで株価が戻ると祈り続け、
挙句の果てにはそれまでの収益をものの見事に吐き出します。

希望は思考停止とともに訪れます。
まさに神頼み。危険な兆候です。
この希望を何度持ってしまうかで、その後のトレーダー人生が決まると言っても過言ではありません。
希望は全ての理性的な行動の外にあるものと思って下さい。
トレーダーが最も避けなければいけない敵なのです。





4.第1の大罪 すぐに損切り出来ないこと ~第5章 トレーディングにおける7つの大罪~


「熟練したトレーダーが最も頻繁に失敗する事はなんですか?」
「我々の答えは、「早期に損失を受け入れられず、損切ることが出来ない事」である。」(P164)


損失をコントロールできるかどうかがプロとして生活できるかどうかの重要なポイントです。
マーケットへ常に全力で挑む姿勢は必要ですが、常に全力でポジションをフル稼働させて望むことは、
退場のリスクを高めてしまう事につながります。

確かに多くの資産を短期間で築き上げるには、リスクという代償を支払う以外ありません。
しかし、だからこそ、再建可能な範囲でのトレードを常に心がける必要もあるのです。

また、損切りが出来ない上でのナンピン買いという、単にリスクのみを高め続ける
不要な行為は本来すべきではないのです(とはいえ何度もやってしまうのが人間ですが)

私自身、同一銘柄の信用全力二階建てナンピン自爆を過去何度も経験しています。
それをする度に、「さっさと損切りして次のチャンスを待つべきだった」と反省します。
しかし、その反省を次のトレードに生かせなかったからこそ、
トレードの世界から足を洗う羽目になったのです。

まずはナンピンをしない事、そして損切りを素早く行う事。
損失を受け入れれば、その後のトレードになんら影響がない精神状態を作り出せるように訓練する事。
それらがトレーディングで成功するには最も重要な行為なのです。





5.第3の大罪 時間軸を変更すること ~第5章 トレーディングにおける7つの大罪~


「この時間軸の「変更」は損切りを無視する事を正当化する事に他ならない。」(p172)
「時間軸を変更する大罪は最終的にはトレーダーの決意を蝕み、自由に考え行動する能力を奪い、
 そして常に哀れな犠牲者へとらくごさせるものである。」(p173)


デイトレーダーが享受できる最大の利点は日中でトレードを完結する行為そのものにあります。
それはなぜか?マーケットが開いていない間の不測の事態に対応する必要が無いからです。

それにもかかわらず、自分の考えの通りにマーケットが動かなかったからと言って、
日中に決済すべきポジションの時間軸を変更し、翌日、或いは翌週へ持ち越す行為は
最大の利点を自ずから捨てているだけに留まらず、不測の事態という新たなリスクまで
背負うことになっている問題をもっと認識しなければなりません。

特にしてはならないのが損切りできず、ナンピンし続け、
追証を支払ってまで翌日まで持ち越す行為です。
私も過去に何度となくやった経験がありますが、
これほど意味のない行為はありませんでした。

もちろん上昇トレンドが継続している時は成功する場合もあります。
しかし、下降トレンドに市場が変わった瞬間、突然牙をむいてくるのです。
もはや骨すら残さず貴方の身から根こそぎ奪っていくでしょう...


損失を認められない事と時間軸を変更する事。
この2つは同時に訪れ、そして徐々に自分の精神と資産を蝕み、
最後は人生そのものを狂わす魔性の誘いであると心すべきです。



以上、私が何度も読み返したポイントから抜粋し、
自分の体験談を含めてお伝え致しました。

トレーダーを目指すなら読んで損は無い書籍だと思います。
基本的にはトレードをする時の心構えが載っています。






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プロフィール

楽天家業

Author:楽天家業

 大学在学中から事業でお金を貯め、それを元手に卒業後は個人トレーダーとして生計を立てていました。(現在はトレード業務一部復活)

 2008年のリーマンショック時に信用取引による過剰リスク状態で惨敗。そんな手痛い経験もあり、このままの人生で良いのかと自分を見つめ直し、同年からウェブサイトの作成業務、2009年からは独立系FPとして相談業務を行うため、自分の経験を活かして日夜、ファイナンシャルプランナーの分野で活動を行っています。

<略年表>
2009年9月AFP登録
2011年7月CFP登録

 現在、主にFP法人様や執筆関連でお仕事承っております。

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