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各種統計データから、老後生活費に関する実態を見てみよう

老後生活費を算出する時、よく引き合いに出されるのが生命保険文化センターの
「ゆとりある老後生活費」である36.6万円です。

ただし、当センターが同時に調査した、
老後の最低日常生活費は22.3万円とされています。
あくまでも毎月贅沢しないで普通に過ごすには
22.3万円で良いと判断されているようです。


「老後の生活費はいくらくらい必要と考える?(生命保険文化センター)」
URL:http://www.jili.or.jp/lifeplan/lifesecurity/oldage/7.html


ちなみにこの調査はあくまでも意識調査の結果です。
それぞれの回答者が現時点の生活費に基づいて,
「将来この位なら生活は出来るだろう」という判断の元、
回答した結果と言えます。

そう実態とかけ離れたものではない可能性はあるものの、
調査対象が18~69歳と老後生活を認識出来ない層が含まれておりますので、
ここは実態により近い、50歳以降の調査対象者の回答を見てみる事にしましょう。


「第3章 老後保障 老後の最低日常生活費(生命保険文化センター)」
URL:http://www.jili.or.jp/research/report/xls/h22hosho/3-4.xls(エクセル)


50歳代以上の平均は22.7万円でした。
本来なら世帯人数や単身者の影響を省かなければなりませんが、
そこまで調査がカテゴライズされているわけではないので
この数字をベースに老後の必要生活費を計算してみましょう。


仮に老後の期間を65歳から90歳までとするなら、
この25年間で必要な費用を計算してみると、


22.7万円×12か月×25年=6,810万円


となります。
老齢年金と合わせて、6,810万円あれば最低限の生活は出来ると思われているようです。


仮に65歳からの世帯所得が国民年金79万円×2、厚生年金100万円であるなら、
所得税と公的な保険料を除いた年間の手取り収入は約220万円です。

つまり、25年間で5,500万円の所得があるわけですから、
最低日常生活費との差額は1,310万円程度となります。

1,310万円なら、30歳から65歳まで毎月3万円(年間36万円)を年利0.3%(税引後)
で積み立てれば問題なく貯まる額、という事が言えますから、
世間で言われているように無理をしてお金を貯める必要性があるのかと、
少し疑問に思う所ではありますね。


そこで、22.7万円が最低生活費として妥当な数字なのか?
という疑問も当然湧いてきますので、その実態を見てみましょう。

ここでは、総務省統計局が開示している家計調査の調査結果を用いてみます。

「家計調査(家計収支編) 調査結果」(総務省統計局)
URL:http://www.stat.go.jp/data/kakei/2.htm#syousai


調べたいのは高齢者(65歳以上)のいる二人以上の無職世帯に関する
年間の支出についてですから、調査結果より該当する統計データを探す事にします。

該当するのは、

第3-12表「(高齢者のいる世帯)世帯主の就業状態別 二人以上の世帯」
URL:http://www.e-stat.go.jp/SG1/estat/Xlsdl.do?sinfid=000008635830(エクセル)

となります。

では、この統計データから必要な項目を抜き出しましょう。


【高齢者のいる世帯で夫婦高齢者世帯(65歳以上の夫婦一組の世帯)で無職世帯】

■世帯人員 2.00人
■世帯主の平均年齢 74.8歳
■実収入 226,100円
 (内・公的年金給付 212,940円)
■実支出 257,460円(除非消費支出 228,652円)
 (内・非消費支出28,808円)


非消費支出を除いた数字と、意識調査の数字がほぼ同水準のようです。
無意識的に非消費支出(税・社会保険料)の存在を避けているかのような数字ですね。


では、統計データの実支出入で老後の必要生活費を再計算してみましょう。


実収入:226,100円×12か月×25年=67,830,000円
実支出:257,460円×12か月×25年=77,238,000円

不足分:9,408,000円

となりました。


予想以上に不足額が少ないと感じますね。
ただし、これは平均年齢74.8歳の場合で更に世帯人員が2人のケースですから、
60歳代の支出を考えればトータルで見た場合、もう少し変動すると思われます。

とはいえ、公的年金収入が212,940円、年額約256万円は
私が試算した国民年金79万円×2と厚生年金100万円の合計258万円と大差ありません。

世間で言われているような、高額な老後資産の準備が果たして必要なのか?
少し疑ってかかって、各家庭で一度計算してみると良いかもしれません。


日常生活費についてはお住まいの地域性や家族構成の差、
年金の加入状況や資産の状況の差により様々な影響を受けますので細心の注意が必要ですが、
後悔しない人生を送るには自分で考える事が、最も大事な事なのです。


統計データは抽出方法により様々な影響を受けます。
 ご利用の際は十分にお気を付け下さい。

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楽天家業

Author:楽天家業

 大学在学中から事業でお金を貯め、それを元手に卒業後は個人トレーダーとして生計を立てていました。(現在はトレード業務一部復活)

 2008年のリーマンショック時に信用取引による過剰リスク状態で惨敗。そんな手痛い経験もあり、このままの人生で良いのかと自分を見つめ直し、同年からウェブサイトの作成業務、2009年からは独立系FPとして相談業務を行うため、自分の経験を活かして日夜、ファイナンシャルプランナーの分野で活動を行っています。

<略年表>
2009年9月AFP登録
2011年7月CFP登録

 現在、主にFP法人様や執筆関連でお仕事承っております。

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