スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

【スポンサードリンク】

国民年金保険料2年前納制度が実施された場合に、気を付けなければならない事は?

先日、日経新聞にて以下のような報道がありました。


「国民年金保険料、2年分前払いなら4.1%割引 」(日経新聞)

厚生労働省は国民年金の保険料について、2年分の前払いを認める方向で検討する。
現在の国民年金の前納制度は1年分の保険料を前払いすると、保険料が年2.1%割引される。
これを2年にし、割引率も4.1%に引き上げる。(抜粋)

URL:http://www.nikkei.com/news/headline/article/g=96958A9C93819481E2E1E2E1948DE2E1E2E0E0E2E3E09797E0E2E2E2


保険料の2年前納払いにより、割引率を引き上げようという制度です。

ちなみに、保険料の前納に関する割引率は国民年金法と政令により
既に決定されている比率(年率4%)を準用するようです。


国民年金法第九十三条二項(保険料の前納)
「前項の場合(保険料の前納の事)において前納すべき額は、
 当該機関の各月の保険料の額から政令で定める額を控除した額とする。」


国民年金法施行令第八条(前納の際の控除額)
「法第九十三条第二項 に規定する政令で定める額は、前納に係る期間の各月の保険料の合計額から、
 その期間の各月の保険料の額を年四分の利率による複利現価法によつて前納に係る期間の最初の月から
当該各月(中略)までのそれぞれの期間に応じて 割り引いた額の合計額(中略)を控除した額とする。」


【参考】「国民年金前納割引制度(日本年金機構)」
URL:http://www.nenkin.go.jp/zenno/index.html

【参考】「第10回社会保障審議会年金部会資料 制度運営上の改善事項について(15Pが該当)」
URL:http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000021kjh-att/2r98520000021ko3.pdf
開示では前納制度拡充案として、支払年度の保険料をそのまま2年度分準用する事が示されています。


まだ具体的な制度内容が決定されていないので、
考えられるケースを示しておこうと思います。


現在国民年金保険料は毎年、決められた保険料水準に改定率を掛けて算出されています。
この流れは平成29年4月以降分の「16,900円×改定率」まで続くことになっているのですが、
2年前納する場合、どの時点の保険料水準や改定率を適用するのかが分かりません。


【参考】「国民年金保険料額の改定(愛知県小牧市)」
URL:http://www.city.komaki.aichi.jp/contents/04061010.html


保険料水準は平成29年4月以降分まで決定されていますから、
恐らく、「決定されている保険料水準×支払年度の改定率」
という計算方式がとられる可能性が考えられます。

この場合、平成23年度開始時点の金額を参考に前納が可能だったとするなら

平成23年度分 15,260円×0.984≒15,020円
平成24年度分 15,540円×0.984≒15,290円


※1円単位四捨五入

2年前納保険料 (15,020円+15,290円)×12か月=363,720円

と判断される事になり、ここから4.1%割り引かれた数字を考えると、
納付額は348,810円と、14,910円が割り引かれる事になるわけです。


しかし、平成24年度分の実際の保険料は今年14,980円(改定率0.964)に決定された事を考えると、
上記のような保険料決定で前納額が決定されるのであれば、不利を受ける可能性があります。
(逆に、保険料水準の低い時に適用すれば得になる可能性もあります)

保険料の改定水準の決定は前年度保険料改定率に、物価変動率や実質賃金変動率等、
名目賃金変動率を掛ける事で算出されていますが、これを自分で予測するのは困難です。


【参考】「将来の国民年金保険料額の決め方(日本年金機構)」
URL:http://www.nenkin.go.jp/main/individual_01/pdf/kokunen_02.pdf

この為、ある意味ギャンブル的要素を孕んでいる点は考慮すべきでしょう。


また、2年前納するという事は、その分の現金が口座から消えてしまう事を意味します。
いざという時の資金源である預貯金が余り無く、手元流動性が大きく減少するリスクのある人は
一括納付は控える方が無難、という事になります。



ところで、国民年金保険料を前納した場合、
前納期間の中途で厚生年金保険や共済年金に加入した時は
前納分の保険料はどうなってしまうのでしょうか?

その場合、既経過分の保険料を除いた保険料が還付される事になります。

【参考】「国民年金保険料の前納(群馬県渋川市)」
URL:http://www.city.shibukawa.gunma.jp/kurashi/iryouhoken/kokuminnenkin/shiharai.html

既経過分の判定は月末の加入先となりますので、
基本的には就職した月以降分が還付される事になります。
その点はご安心ください。



しかし、所得控除という点で注意しなければならない事があります。

所得税法第七十四条(社会保険料控除)の規定では、
支払保険料の控除について以下のように決められています。

「所得税法第七十四条(社会保険料控除)」
 居住者が、各年において、自己又は自己と生計を一にする配偶者その他の親族の負担すべき
 社会保険料を支払つた場合又は給与から控除される場合には、その支払つた金額又はその控除される
 金額を、その居住者のその年分の総所得金額、退職所得金額又は山林所得金額から控除する。


この規定を準用した場合、2年前納を行った場合は特例が無い限り、
支払った年分の所得からのみ保険料を控除できるという事になります。

保険料分の課税所得が無い人、或いは所得があっても平年よりも課税所得が少ない人、
そして、所得税率帯が保険料控除を適用した場合に変化する人にとっては、
若干不利な作用を及ぼすことになります。


上記の件について、具体的に解説しましょう。

保険料を本人が支払った場合と、生計を一にする者が支払った場合をまとめて記載します。


1.保険料分の課税所得が無い人

「課税所得が無い」=「税金を支払っていない」となり、支払った保険料の控除が
受けられず、所得税と住民税合わせて最低限15%の税額が減額されるチャンスを
捨ててしまう事になります。

割引後支払保険料の15%という事は、元保険料の14.4%に相当する事になります。
4.1%の割引が霞む金額ですね。この点は要注意です。



2.所得があっても平年よりも課税所得が少ない人

ボーナスカットや転職、扶養控除適用者の一時的な増加等で
例年よりも課税所得が少ない人が要注意です。

また、自営業者で例年よりも売り上げが急減している人等も該当します。

1のケースと同様、引ける課税所得が無い、或いは普段所得税率が10%なのに
偶々5%帯だった場合、それだけで元の保険料額の4.8%割引に相当する金額となりますから
2年前納する意味が薄れてしまいます。



3.所得税率帯が保険料控除を適用した場合に変化する人

2年前納分の控除額を差し引く前の課税所得が200万円だったとします。
この場合、195万円以下は5%ですが、195万円を超える5万円については
10%の所得税が適用されています。


【参考】「No.2260 所得税の税率 」(国税庁タックスアンサー)
URL:http://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/2260.htm


その為、5万円については10%が還付される事になるものの、
それ以上の保険料控除分に関しては5%しか還付されない事になります。

これならば、少し所得が多い年に前納を行う事も考慮すべきと思います。



いずれにしましても、保険料の前納が有利となるか不利となるかは、
その時々の経済状況や納付者の所得状況等によりますので、
ご自分で判断できない場合は専門家にお聞きになるほうが無難かと思います。

関連記事

【スポンサードリンク】

コメントの投稿

非公開コメント

記事内検索フォーム
プロフィール

楽天家業

Author:楽天家業

 大学在学中から事業でお金を貯め、それを元手に卒業後は個人トレーダーとして生計を立てていました。(現在はトレード業務一部復活)

 2008年のリーマンショック時に信用取引による過剰リスク状態で惨敗。そんな手痛い経験もあり、このままの人生で良いのかと自分を見つめ直し、同年からウェブサイトの作成業務、2009年からは独立系FPとして相談業務を行うため、自分の経験を活かして日夜、ファイナンシャルプランナーの分野で活動を行っています。

<略年表>
2009年9月AFP登録
2011年7月CFP登録

 現在、主にFP法人様や執筆関連でお仕事承っております。

最新記事
月別アーカイブ
最近読んだお勧め本

僕はミドリムシで世界を救うことに決めました。(出雲 充)

【書籍の解説】不可能と言われていたミドリムシの大量培養に成功し、食糧問題からエネルギー問題まで解決の糸口に繋がる手法を模索する社長さんが書かれた本です。
 事業自体はミドリムシ入りのクッキーが世の中で話題になった頃合いに知ってはいましたが、元を辿れば旧ライブドアに直接出資して貰っていた経歴がある等、紆余曲折あって様々な艱難辛苦を乗り越え、少なからず各専門分野の人達に共感を得て徐々に資本関係を構築し、様々なサポートがあって倒産危機を乗り越えながら泥臭く経営してきたという想像だにしない様々なエピソードを持っている事をこの本で知りました。
 上場と言う華々しさに至るまでの苦難の道のりを是非ご覧いただきたいと思います。

アクセスカウンター
09/2/11~
twitter
RSSリンクの表示
リンク
相互リンク随時募集中!
カテゴリ
QRコード
QR
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。