ネガティブな理由で上場廃止した東証上場銘柄における市場区分別傾向分析

→「過去10年間の東証上場企業における上場廃止理由内訳と廃止率」の続きです。


昨日データとして収集したネガティブインパクトの上場廃止銘柄数134銘柄のうち、
外国部(東1・マザーズ)を除いた111銘柄を対象にして、
以下の調査並びにスクリーニングを行いました。

 ・市場区分別上場廃止数
 ・上場廃止した月
 ・証券コード別
 ・上場廃止1年前の月末株価
 ・市場区分別上場廃止理由


その結果が以下の通りです。


【市場区分別・上場廃止銘柄数と1年あたりの上場廃止率】
市場区分別・上場廃止銘柄数と1年あたりの上場廃止率
※円グラフの数字は銘柄総数


市場区分別・上場廃止銘柄数と1年あたりの上場廃止率

市場区分別で分けた場合、
1年あたりの上場廃止率が高かったのはマザーズ市場で1.6%でした。
こういった統計となった理由として、

 ・開業して間もない会社が多く上場する新興市場の特性
 ・上場している銘柄の絶対数が少ない
 ・優良銘柄が東証一部等に鞍替え上場している


等が挙げられるかと思います。


次に、上場廃止した月の傾向を見てみましょう。


【月別・上場廃止銘柄数】
月別・上場廃止銘柄数

各月でそこまで差があるわけではありませんが、
3,4,6,10月は、他の月に比べてやや多い印象です。

あくまでも「上場廃止した日の属する月」ですから、
実際の上場廃止決定日(整理銘柄に該当した日)は、
更に1か月以上前という事になります。



【証券コード別上場廃止銘柄数】
証券コード別上場廃止銘柄数

証券コード番台別に上場している銘柄数が異なるので一概に比較はできませんが、
廃止銘柄は1000番台と8000番台に集中しているようです。
逆に、5000番台はかなり少ない数字となっています。

1000番台と言えば建設が中心です。
8000番台は不動産・証券・銀行等が多いですね。
卸売や小売も8000番台が中心です。

5000番台は鉄鋼・ガラス・金属あたりでしょうか。

2000年代と言えば、不動産流動化関連銘柄が多く潰れた時期でもあります。
建設業は比較的前半に集中していました。



【上場廃止1年前の月末株価別・上場廃止銘柄数】
上場廃止1年前の月末株価別・上場廃止銘柄数
※数字は銘柄総数

売買単位が1株から1000株までバラバラですから一概に比較はできませんが、
上場廃止1年前の株価水準は上記図のようになりました。
10万円以上という銘柄も8銘柄あり、なかでも東証2部上場だった
アイ・エックス・アイは76.5万円もしていました。
当該会社は架空取引を理由に民事再生手続きとなっています。



【市場区分別上場廃止理由】

上位3つずつ挙げていきます。

<東証1部>
第一位 民事再生手続き 25件
第二位 会社更生手続き 16件
第三位 破産の申立て 8件

※「再生手続き」は「民事再生手続き」に合算
※「更生手続きの申し立て」は「会社更生手続き」に合算


<東証2部>
第一位 民事再生手続き 15件
第二位 破産の申立て 5件
第三位 公益・投資者保護 4件

※公益・投資者保護は破産手続き開始の決定、虚偽記載との重複分除く


<東証マザーズ>
第一位 虚偽記載 5件
第二位 時価総額 4件
第三位 破産手続き 3件



マザーズは時価総額が上場廃止基準に引っかかっているケースが4件もありました。
また、虚偽記載がトップに出るなど、民事再生や会社更生、破産手続きよりも
企業のコンプライアンスで上場廃止となるケースが多かったようです。



今日の分析はここまでとなります。


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Author:楽天家業

 大学在学中から事業でお金を貯め、それを元手に卒業後は個人トレーダーとして生計を立てていました。(現在はトレード業務一部復活)

 2008年のリーマンショック時に信用取引による過剰リスク状態で惨敗。そんな手痛い経験もあり、このままの人生で良いのかと自分を見つめ直し、同年からウェブサイトの作成業務、2009年からは独立系FPとして相談業務を行うため、自分の経験を活かして日夜、ファイナンシャルプランナーの分野で活動を行っています。

<略年表>
2009年9月AFP登録
2011年7月CFP登録

 現在、主にFP法人様や執筆関連でお仕事承っております。

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