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レバレッジを掛けてREITに投資をすると年間の配当利回りはどうなるか

不動産上場投資信託のREIT(リート)に信用取引を利用して投資すると、
借入で現物の不動産投資を行う状況に近い状態になるのでは?
と思った為、実際にリスクとリターンの計算をしてみました。



REITは既にレバレッジが掛かっている商品です。
運用している不動産投資法人が金融機関から有利子で借り入れ、
それを物件取得原資としています。

通常REITのレバレッジ状況を把握する指標として利用されるのは、
総資産に対する有利子負債比率としてLTV(Loan to Value:借入金比率)
が用いられる所ですが、ここでは信用取引との整合性を図る為、
自己資金に対する運用規模を把握する意味でレバレッジ比率を算出します。


つまり、

レバレッジ比率(%)=総資産(総投資額)÷自己資本(自己資金)×100

※カッコ内は信用取引の場合


とする事にします。


例えば、上場して既に10年以上が経過している
「ジャパンリアルエステイト投資法人(東.8952)」
を例にとりましょう。


「LTVの推移(ジャパンリアルエステイト投資法人)」
URL:http://www.j-re.co.jp/ir/financial/ltv.php


第20期末(2011年9月期)の総資産は643,949百万円、
有利子負債残高が269,350百万円、LTVは41.8%です。

つまり、自己資本は374,599百万円であり、
レバレッジ比率は、

643,949÷374,599×100≒172%

※小数点以下四捨五入

となるわけです。


信用取引を利用する場合、
現金に対して3倍以上のレバレッジを利かせることが出来ます。

ただし、ここでは分かりやすいように2倍(信用建玉と現物が1:1)
で取引を行う事としましょう。


REITにレバレッジ比率2倍(200%)で投資した場合、
実際の不動産に対するレバレッジ比率は、

172%×200%=344%

となります。


この為、投資した現金に対して、REIT側が保有している物件価格が1変動するごとに
3.44倍の価格変動の影響を受ける、という事になります。


とは言え、実際はREIT価格そのものの推移に依拠しますから、
REITの標準偏差そのものをリスク指標に用いる事にします。

この場合、期待リターンは6.1%(年率)、リスクは24.6%(年率)となり、
レバレッジ2倍の為、自己資金に対する期待リターンは12.2%(年率)、リスクは49.2%(年率)となります。



既にこの時点で破たんの予兆がしておりますが、話を続けます。




今度は配当利回りの計算です。

直近の既払い配当は15,850円、予想配当は16,000円が想定されています。
年間にすると31,850円です。

2012年4月5日終値が712,000円ですから、
仮にこの株価で投資したとすると、年間利回りは

31,850円÷712,000円×100≒4.47%

という事になります。


ここで信用取引の話に戻りますが、
現物と信用取引建玉を1:1にした場合の資産構成は以下のようになります。


投資元本:3,560,000円 5株
信用買建玉:建単価 3,560,000円 5株

保有株式時価評価額:7,120,000円 10株
予想年間配当:318,500円
対投資元本・配当年利回り:8.95%


と、計算することが出来ます。
信用取引とREITを利用する事で、
年間利回り約9%のポジションを持つ事が出来ました。



しかし、これはあくまでも表面利回りのお話です。
現物の不動産同様、諸経費を除いたネット利回りを計算する必要があります。

また、長期保有を前提とした場合に発生する他のリスクを考えなければなりません。
順を追って説明しましょう。


1.信用取引には金利や諸経費が掛かる

信用取引(買建)の場合、以下のような経費が掛かります。


・手数料1約定ごとに100円
・買方金利(制度信用:2.3% 一般信用:3.5% 年率)
・信用管理費用 1か月の応当日毎に1株当たり10.5銭(上限1,050円、下限105円)
・信用取引名義書換料(52.5円/売買単位)


※上記はクリック証券の場合

今回の場合は信用取引買建数量は5株ですから、
信用管理費用と信用取引名義書換料は1年辺り4,410円掛かる事になります。

手数料と金利を除き、対投資元本の経費率は年間0.12%です。



2.制度信用取引か、一般信用取引か

上記の金利の部分でも挙げましたが、信用取引には通常2つの制度が存在します。

詳しい説明は省きますが、制度信用は6か月以内に返済しなければならず、
一般信用は概ね無期限である事が多いのが特徴です。
また、制度信用と一般信用では1%以上も買方金利に差が生じています。

ここで問題となるのが金利と返済期限、そして税金の関係です。

長期保有を前提とするなら、制度信用で半年ごとにロールオーバーした方が
金利と手数料の比較を考えると結果的に安く済みます。


・ロールオーバー時、株価が変動していなかったと仮定すると、

手数料:200円/年
金利:2.3%/年
諸経費:0.12%
対投資元本経費率:2.43%

となるわけです。

一般信用の場合は3.5%+初期手数料(100円)+0.12%ですから、
少なくとも年間1%以上の経費差が発生する事になるからです。



ただし、建玉が利益の場合は税金が発生する事になります。
加えて、建単価が上昇する事で金利負担が増加します。

例:株価が20%上昇した後にロールオーバーした場合の金利・税金負担年増加額

金利:712,000円×20%×5株×2.3%=16,376円

税金:712,000円×20%×5株×10%=71,200円


合計額:87,576円(対投資元本経費率:2.46%)

※平成24年4月5日現在の証券税制


それまでに他の上場株式の繰越控除分がある場合は利益が出ても通算できますが、
経費差1%を超えるほどの税金が発生してしまっては元も子もありません。
(ただし、建単価が上昇する分、将来の税金支払総額は抑えられる可能性)

逆に、損失の場合は繰り越せる上に配当金の所得税源泉徴収分と相殺できます。
加えて建単価が下落する事で金利負担が減少します。
(ただし、将来の税金が増加する可能性)


このように、制度信用取引を利用した場合最終的な損益にブレが生じてしまう為、
一般信用取引を利用する事を考えて再計算する事にします。




・クリック証券以外の証券会社で一般信用(無期限)取引が可能な証券会社を利用する


無期限の一般信用取引が出来る証券会社で、なおかつ金利が低い会社は大和証券です。

大和の場合オンライントレードの諸経費は以下の通りです。


・手数料 50万円超1約定ごとに300円
・買方金利 一般信用2.4%(年率)
・信用管理費用 1か月の応当日毎に1建株あたり210円
・その他 6カ月ごとに別途管理費用(金額不明)


となっていました。

仮に先ほどの条件に当て嵌めると、対投資元本経費率は
別途管理費用・手数料を除けば2.47%になります。




・レバレッジを掛けたREIT投資のネット利回り


ここからは経費率が2.5%を前提に話を進めます。
表面利回りの対投資元本・配当年利回りは8.95%でした。

ここから年間の経費率を差し引きます。

8.95%-2.5%=6.45%


となります。

レバレッジ2倍での投資元本に対する年間の配当利回りは6.45%になるようです。



ただし、リスク計算の時に気づいたように、価格変動リスクが高すぎる為に
信用維持率を保てない可能性があります。

その場合は中途で強制決済となってしまうので、
長期的に安定した収益を生み出すとは言えません。

仮に受取配当金をそのまま口座に残しておいたとしても
急激な変動が起きればポジションを保てない危険性はあります。


実物資産同様、給与から発生するフローを証券会社の口座に積み立て、
最終的に現引きするような方式も考えられるかも知れません。

いずれにしても、REITへレバレッジを掛けて投資するという事は
そう簡単に行かない事だけはイメージできました。
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プロフィール

楽天家業

Author:楽天家業

 大学在学中から事業でお金を貯め、それを元手に卒業後は個人トレーダーとして生計を立てていました。(現在はトレード業務一部復活)

 2008年のリーマンショック時に信用取引による過剰リスク状態で惨敗。そんな手痛い経験もあり、このままの人生で良いのかと自分を見つめ直し、同年からウェブサイトの作成業務、2009年からは独立系FPとして相談業務を行うため、自分の経験を活かして日夜、ファイナンシャルプランナーの分野で活動を行っています。

<略年表>
2009年9月AFP登録
2011年7月CFP登録

 現在、主にFP法人様や執筆関連でお仕事承っております。

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