鎌倉投信説明会に参加しました

先日、神奈川県鎌倉市にある投資信託運用会社、
"鎌倉投信株式会社"の本社屋で行われた説明会にお邪魔しました。





それにしても立派な社屋ですね。
推定80年の古民家を改装して使用しているようで、
門構えが立派でした。


さて、本題の説明会ですが事前に鎌倉投信のHPや
運用報告会等に参加されている方のブログで情報を仕入れていた為、
個人的には既知情報が多く、詳細は割愛させて頂きます。


2点ほど重要な点を挙げるとすれば、

・とにかくリスクコントロールに気を使っている
・本業が日本社会にとって良い影響をもたらすかどうかが投資基準となっている


と言った辺りが、意思決定の中心となっている所でしょうか。


リスクコントロールについては金融工学を駆使し(クオンツ)、
値動きや市場の状況、過去の統計等から判断される最適解を導き出して
ほぼ毎日(数日かけて)ポジションの調整を行っているようです。

実際、キャッシュポジションの調整を絡める事で値下がりに対するリスクは
極力抑えられているように感じました。


投資先については必ずしも黒字である必要は無いようです。(後述)

また、"良い会社"という表現は漠然としていますが、
日本の将来につながるかどうか、という視点で考えれば
比較的理解はしやすい投資基準だなと感じました。



参加者からの質疑応答等やこぼれ話で気になった点は以下の通りです

・ブレークイーブンポイントはどの程度を見積もっているのか
 →85億~90億円が目安(2015年度までに達成できなければファイナンスの可能性)

・投資家の質によって投資信託はパフォーマンスが変わる
 →急落時に多くの入金、相場上昇時に換金売りが出ないなど長期的な視点に立って
  資金フローがコントロールされており、急な払い戻しに応じる為の無駄な取引コストや
  機会ロスが発生していない。

・運用者人数が少ない為、投資先のアフターフォローが十分にできていない
 →ウェブで投資先を開示する事により、受益者自身をフォロー役に取り込める利点
 (バイサイドアナリスト的?)
  今後はインターン等を利用した戦力の補強も考えている

・投資先の売却等についての意思決定プロセスについて
 →基本的にはリバランス以外での売却はしない。(不祥事等除く)
  投資先であるウェザーニューズという会社で一度、過労死問題が発生した事があり
  事実関係の確認と今後の方針について慎重に検討した所、
  会社側から公式に状況を開示した姿勢とその内容を鑑み、投資継続を決定した経緯がある。

 【参考】ウェザーニューズ→「私たちの「働き方」について」(※PDF)

・受益者の中心層は30~40代
 →今後は機関投資家へのアクション等も考えている


辺りが挙げらられていました。



さて、説明会終了後、担当された田島忍さんに何点か質問させて頂きました。


私が気になっていたのは以下の点です

・ライフネット生命新規上場直後のエントリーに関する意思決定プロセスについて
・リバランスのタイミングについて
・投資者の年齢分布とイグジットタイミングが重なるリスクについて


です。


リバランスのタイミングについては前段でまとめてありますので割愛します。(クオンツ等)


ライフネットに関しては先ほども挙げましたが、現時点では"赤字企業"である事に変わりなく、
現状の契約件数の伸び率を考えれば当初黒字化として目標が掲げられていた計画数に
早晩達成するものの、黒字化するかは不透明であり、元々会社として人気があり公募価格も
比較的高い金額(それでも下限決定でしたが)で売り出されている状況を考えれば、
上場直後の需給プレミアム部分が乗っかった今投資する理由はどこにあるのか、何故今なのか、
という事をお聞きしたかったのです。(個人的にはこれを聴きに来たのが理由の半分くらいを占めます)

この辺りは個別の事案ですので詳細は記載しませんが、
比較的自分の考えに近い点と、ファンド特有の理由があった所も面白い回答だったと思います。


投資者の年齢分布云々に関しては受益者の中心層が30~40代である事を話されたので、
それなら将来的なイグジット集中リスクについてはどう考えているのだろうと思い聴いてみました。

回答は、「年齢層の分布状況に偏りがあるリスクは認識しており、
その辺りを改善する為に今後幅広い層へアクションを起していく事を考えている。(特に年配層)」
との事でした。


ガイアの夜明け等が放映された時にもっと年配の人も取りこんだものと思っていたのですが、
このお話はちょっと意外な印象を受けました。



さて、最後のおまけです。


個人的にさせて頂いたお話の中で、"金融業の在り方"に関する意見は私も共感を覚えました。

金融という枠組みで見た場合、投資者は資金の提供と流動性の供給と言う点で
とても大切な役割を担っています。

また、金融とは本来"お金が必要な人の所に融通する"事を指すわけですから、
日本にとって果たしてどの分野・会社・人にお金を融通するのがこの国を良くすることにつながるのか?
と考えた場合、貢献度の高い(或いは高くなる事が見込まれる)企業へ流してあげる事は
とても使命感の湧くやりがいのある作業なのだろうと感じ入りました。


ここで先日、とある方からお薦め頂いた「最底辺のポートフォリオ(amazon)」という書籍を思い出しました。

内容は、国際連合開発計画が策定した"貧困層"として定義づけられる世帯について、
収入や支出の状況を1年間で月に2回を目安に追跡調査し、どのような資金繰りが行われているかを把握し、
その上で明らかになった問題点を浮かび上がらせる過程と考察が書きとめられているものです。

この本で最も肝にあたるのが、いわゆる"貧困層"と呼ばれる世帯でも普段から大きな出費に備えた貯蓄をし、
不足が生じた時は身内間でお金の貸し借りを行い、ご近所さんと貯蓄クラブを作ったり
"マネーガード"と呼ばれる盗まれたり自分で使ってしまう事を防ぐためのお金の預託行為をしていたり、
様々な"金融取引"を駆使して生活の金銭リスクを回避する作業を行っている実態が
浮かび上がっている点です。


貧困層に置いては金銭管理のリスクが最も気にしなければならない肝所であり、
収入が少額かつ不定期で予測不可能な状態から発生する様々な生活リスクを取り除くには、
より安全で利便性の高い"金融システム"が不可欠である事を示唆しているわけですが、
上記のようなインフォーマルな方法ではとても不安定である事は、
"銀行"や"ATM"というシステムに慣れ親しんだ日本人にはあまりピンと来ないかもしれません。


"金融"とは適正なリスクの範囲で受益者の利益を配慮しつつお金の融通をする行為だと考えます。

上記で示すような"生きる行為"に対しての金融という、ある種原初的思想に立ち戻った時、
金融システムに対しての考えを中立的な立場で俯瞰すれば
そこに新たな流れを生み出そうとする"信託"というシステムそのものが
一つの金融システムとしてなるほど、面白い仕組みなのだなと頭の中で話がつながった次第です。


おしまい。


鎌倉はちょうど紫陽花の季節でした。


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Author:楽天家業

 大学在学中から事業でお金を貯め、それを元手に卒業後は個人トレーダーとして生計を立てていました。(現在はトレード業務一部復活)

 2008年のリーマンショック時に信用取引による過剰リスク状態で惨敗。そんな手痛い経験もあり、このままの人生で良いのかと自分を見つめ直し、同年からウェブサイトの作成業務、2009年からは独立系FPとして相談業務を行うため、自分の経験を活かして日夜、ファイナンシャルプランナーの分野で活動を行っています。

<略年表>
2009年9月AFP登録
2011年7月CFP登録

 現在、主にFP法人様や執筆関連でお仕事承っております。

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