年金生活者支援給付金法案、国民年金改正法案について

平成24年8月10日に成立した「社会保障・税一体改革関連法案」のうち、
継続審議中だった下記赤枠内の2法案が11月14日3党合意・可決され、
明日の衆院本会議で可決される見込みとなりました。



厚生労働省「社会保障・税一体改革関連」の概要より一部引用


当ブログでは8月に成立した法案について「先日成立した年金関連法改正の重要ポイントまとめ
として既にお伝えしましたが、ようやく残された年金関連法も見通しが立ちましたので、
特に赤線の記載部分について抜粋して解説しようと思います。


【今国会成立見込の法案】

■平成24年2月10日提出
「国民年金法等の一部を改正する法律等の一部を改正する法律案」

 →年金額の特例水準(2.5%)について2013年10月から2015年4月まで(※)の3年間で解消する。
  (※修正前は平成24年度から平成26年度までの3年間で解消予定だった)

■平成24年7月31日提出
「年金生活者支援給付金の支給に関する法律案(年金生活者支援給付金法案)」

 →年金受給者のうち、低所得高齢者・障害者等に福祉的な給付を行う



<特例水準の解消>

年金は物価の水準によって調整される「物価スライド」方式を採用しています。

水準訂正の元となる物価には各年の全国消費者物価指数をベースに算出されており、
直近の平成23年度から平成24年度を例に挙げると、
全国消費者物価指数が0.3%下落した事による修正を年金額の改定に直接反映し、
それまでの支給額788,900円(基礎年金)が786,500円に減額され、
月額200円程下方改定されているケースからも判断できます。


【参考】「平成24年6月からお支払する年金額が0.3%引き下げられます。(日本年金機構)」(PDF)


ですが、物価に確実に連動させられる制度を導入しているにもかかわらず、
平成11年から平成13年までの消費者物価指数の下落分が現在特例で据え置かれており、
その水準が2.5%にも上っている事で、いわゆる「払い過ぎ」の年金額が存在しているわけです。

「払い過ぎ」の額は毎年約1兆円と、年金財源枯渇問題が叫ばれている現状ではとても大きく、
これまでの給付増の累積額が基礎年金と厚生年金給付費の合計で
約7兆円に達していると言われています。


【参考】「国民年金法等の一部を改正する法律等の一部を改正する法律案 特例水準の解消について
    (厚生労働省)」(PDF)


この様な状況を解消すべく、7月時点の法案では平成24年度(2012年10月)から平成26年度
にかけて段階的に改定を行い、年金額を本来の水準まで訂正する予定でした。



※「国民年金法等の一部を改正する法律等の一部を改正する法律案 特例水準の解消」より引用



しかし、結果的には法案審議のずれ込みなどで
2013年10月以降からの3段階で修正される事となったわけです。

各年の解消率も変更されており、
2013年10月が1%、2014年4月に1%、2015年4月に0.5%が予定されています。

基礎年金ベースなら、現在支給されている786,500円から766,400円(概算)
まで減額される事になり、年額約2万円の給付水準が引き下げとなるわけです。


これらの減額や、消費税による日常生活の負担増加分、
生活保護などによる高齢世帯への各地方財政の負担増加を鑑み、
低所得高齢者等への福祉的給付として導入されるのが
年金生活者支援給付金法案」となります。




<年金生活者支援給付金>

法案の主な内容は以下の通り(法案は7月31日提出時点の内容で記載)

・所得の額が一定水準(※)を下回る老齢基礎年金受給者が対象
・納付期間に応じて最大月額5,000円を支給
・給付金受給者と無受給者との差が生じないように補填給付を行う(金額は未定)
・一定の障害基礎年金、遺族基礎年金受給者も対象
 (所得基準詳細不明、障害1級受給者は月額6,250円でそれ以外は月額5,000円)


※住民税が家族全員非課税で、前年の年金収入*その他所得の合計額が
 老齢基礎年金満額(平成27年度で77万円)以下である事


【参考】「年金生活者支援給付金の支給に関する法律案(厚生労働省)」(PDF)


となっています。

保険料納付期間は最大480か月(年間6万円)となりますが、
仮に240か月(※)であれば月額2,500円(年間3万円)となるわけです。

(※制度改正により平成27年10月1日以降は基礎年金受給要件が納付期間25年(300か月)から、
10年(120か月)より受給対象となる予定)


以上のように、今年の年金関連法案は大幅に改正されておりますので、
少なくとも今年中には確実に確認しておきたい所であります。
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 2008年のリーマンショック時に信用取引による過剰リスク状態で惨敗。そんな手痛い経験もあり、このままの人生で良いのかと自分を見つめ直し、同年からウェブサイトの作成業務、2009年からは独立系FPとして相談業務を行うため、自分の経験を活かして日夜、ファイナンシャルプランナーの分野で活動を行っています。

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