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相続税率や基礎控除額の変遷と改正による影響を考える

昨日は相続税の地域格差の問題と基礎控除についてお話し、
都心部などでの影響を考えてみました。

【参考】「相続税の地域別納税状況と基礎控除額の問題(税務統計より)


そこで、今日はもっと根本的な問題である基礎控除額や税率の変遷の歴史と、
変更された時に生じる影響について考えてみましょう。


財務省のHPには、ここ30年ほどの相続税改正について大まかにまとめられた図があります。

【参考】「最近における相続税の主な改正」(財務省)



税率の累進構造や死亡保険金等の非課税限度等については以下参照
【参考】「相続税の主な改正の内容」(財務省)


昭和63年12月改正前は5億円超の場合、最高税率75%とされていたようです。
よく、「相続が3代続けば財産は無くなる」と言われたりしますが、
確かにこの時代の相続税なら無くなってもおかしくなかったかもしれません。


しかし、今は基礎控除・段階の累進税率・最高税率ともにかなり優遇されており、
相続発生件数に対する課税割合も7.9%から4.2%に減少し、負担割合(以降、実効税率とする)も
17.4%から11.2%へ減少する等、実際の徴収ベースで見てもその影響は大きいと言えるでしょう。


元々基礎控除額の引き上げはバブル景気による土地価格の高騰を受けて、
遺族が相続税を支払えない状況となって自宅を手放さなければならないなどの問題について、
普段の生活が脅かされないようにする為の措置でした。

しかし、現在は毎年のように土地価格が下落(或いは横ばい)しているにも関わらず
過去の基礎控除額がそのまま継続されているのが現状です。




では、仮に基礎控除額を引き下げたとした場合の納税額がどう変化するのか、
各年度の相続税に関するデータを税務統計から抜き出してまとめ、推測してみました。

【参考】「統計年報・相続税(平成元年~平成22年)」(国税庁)



ここで言う相続人は法定相続人(法律で財産を相続する権利が与えられてる人)
とは限らない為、実際の控除合計額は上記の計算結果のようにはなりませんが、
被相続人一人あたりの基礎控除額の変遷を分かりやすくするために同一とみなしました。

ちなみに昭和63年が4.5人と突出しているのは節税対策で多くの養子縁組(法定相続人)が組まれ、
それが反映されたものと思われます。
(昭和63年の相続税法改正前は、養子縁組は全て基礎控除の計算に含まれていたが、
改正後は実子がいる場合1人(いない場合2人)までしか控除計算に組み込まれない。
(特別養子縁組除く※詳しくは【参考】「No.4170 相続人の中に養子がいるとき」))

また、子供の数が減っていたり、婚姻率が減少している影響や被相続人・相続人の高齢化など
被相続人一人あたりの相続人数は減少傾向となっています。


納税額を見てみると、バブル景気前後の頃は流石に大きく、
平成4年は課税価格が18.8兆円、納税額が3.4兆円にも達しています。

それに対して平成22年は課税価格が10.5兆円、納税額が1.2兆円ほどしかなく、
ピーク時の3分の1程度です。


さて、仮に民主党政権当時の条件(基礎控除を図のように変更)で改正され、
控除額が減額されるとともに相続税の課税対象となる相続人数が増加した場合を想定して
平成XX年として合わせて記載していますが、
課税価格の総額から算出される納税額を鑑みると、実効税率水準に変化が無ければ
およそ2,600億円程度の税収増となるようです。

これはあくまでも現時点の税収ですから、今後人口ピーク層が相続対象となる時代が来たときは、
法定相続人の減少と相まって、今より多くの相続税納税義務者が生まれるものと推測されます。
今後の相続税改正はより注意深く見守る必要があるでしょう。


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Author:楽天家業

 大学在学中から事業でお金を貯め、それを元手に卒業後は個人トレーダーとして生計を立てていました。(現在はトレード業務一部復活)

 2008年のリーマンショック時に信用取引による過剰リスク状態で惨敗。そんな手痛い経験もあり、このままの人生で良いのかと自分を見つめ直し、同年からウェブサイトの作成業務、2009年からは独立系FPとして相談業務を行うため、自分の経験を活かして日夜、ファイナンシャルプランナーの分野で活動を行っています。

<略年表>
2009年9月AFP登録
2011年7月CFP登録

 現在、主にFP法人様や執筆関連でお仕事承っております。

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