厚生年金基金等の企業年金が請求されずに放置されている不思議

昨日、厚生労働省から厚生年金基金等に加入し、受給開始年齢に達しても
未請求となっている人数の状況が公表されていました。

【参考】厚生年金基金、国民年金基金の未請求者の状況について(厚生労働省)

当該データを以下に転載します。




これを見ると、企業年金連合会の数字だけが突出してるのが分かります。

ただし、注意にもあるように企業年金連合会の割合計算が他と異なるので、
「未請求数」÷「未請求数+受給者数」に直した数字が以下の表です。




これでも15%を超えているのが現状です。


何故このような状況が生まれているのでしょうか?


そもそも、企業年金連合会とは厚生年金基金等の企業年金制度がある企業を
短期間(通常10年未満)で退職・脱退した人等に対する年金給付を行っている団体であり、
受給権者数にはその中途脱退者がかなりの数含まれています。
(他に、解散した厚生年金基金に加入していた者等の移転された年金受給権等が含まれます)


【参考】「年金の引き継ぎのお知らせ」(承継通知書)(企業年金連合会)


この為、初めは本人が加入していた事自体を忘れている可能性が高い事を考えたわけですが、
以下の厚生労働省の資料にその理由の一部を見つけることが出来ました。


【参考】平成24年度モニタリング結果報告書 IX-1-4 企業年金等の適正な運営を図ること(PDF)


以下、該当部分抜粋(一部省略)


<企業年金等の未請求者対策>

「年金支給開始年齢に達する前に企業を退職し、厚生年金基金等を脱退した方が、
当該年齢までの間に転居されたため住所を把握できなくなり、年金裁定請求書を
送付することができない等の理由により、年金の受給要件を満たしているにも
かかわらず給付の申請を行っていない方(未請求者)が多数存在している状況です。」


なんと、転居先が不明の為、年金の請求に必要な書類が手元に届かない事によって、
年金の受給権があること自体気付いていない事があるようなのです。

もちろんこれは企業年金連合会の問題ではなく、転居に伴う住所の変更届け出を忘れている
本人の問題ではありますが、折角請求できる年金を受け取らずに放置している理由として
こういった手続き上の不備がある事は意外と盲点なのかもしれません。


さて、他に理由がないか更に調べた所、
企業年金連合会の方にかなり詳しい資料が残っていました。


【参考】企業年金連合会の年金の確実な支給について(PDF)


平成19年9月5日と少し古い資料ですが、
この年に初めて請求していない人の数を精査したと書かれています。

この時は年金受給者が276万人、未請求者が124万人ですから、
先ほどの数字よりもはるかに深刻な数です。


ここでは請求がされない理由が挙げられており、主に、


・連合会に記録を移転した後に転居したり姓が変わったために、裁定請求書を送付
 しても本人に届かない場合。また、本人が既に死亡しており、その届け出がないケース。

・本人が勤めていた会社の厚生年金基金に加入してきた期間が短いために、あるいは
 退職後相当の年月が経っているために、企業年金連合会から年金を受ける資格があ
 ることを本人が認識されていない場合。


とされており、やはり住所変更以外にも本人が忘れている場合も含まれるようです。


この資料にも書かれているように、連合会の年金は時効を適用していない(※)ため、
身に覚えがある場合は必ず企業年金連合会側に問い合わせてみましょう。

ちなみに中途脱退者の場合は加入年数5年未満(92.2%)、年金額1万円未満(63.4%)が
特に請求漏れが多いそうです。(資料11,12Pより)


※公的年金(国民年金・厚生年金)は5年の消滅時効が存在し、
 5年経過後分の年金はその後請求しても受け取れなくなります
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Author:楽天家業

 大学在学中から事業でお金を貯め、それを元手に卒業後は個人トレーダーとして生計を立てていました。(現在はトレード業務一部復活)

 2008年のリーマンショック時に信用取引による過剰リスク状態で惨敗。そんな手痛い経験もあり、このままの人生で良いのかと自分を見つめ直し、同年からウェブサイトの作成業務、2009年からは独立系FPとして相談業務を行うため、自分の経験を活かして日夜、ファイナンシャルプランナーの分野で活動を行っています。

<略年表>
2009年9月AFP登録
2011年7月CFP登録

 現在、主にFP法人様や執筆関連でお仕事承っております。

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