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株主優待券廃止が続く上場企業 廃止に至る理由を会計論的に読み解く

サブプライムローンやCDS問題に端を発した株安の連鎖、
企業業績の低迷とともに、これまで個人投資家の獲得に有効打とされて来た株主優待を
廃止する企業が続出しています。


株主優待の廃止続々、お楽しみ減って個人投資家離れも
2月28日13時19分配信 読売新聞
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090228-00000498-yom-bus_all



以上の読売新聞の記事によれば、
2008年度は2月25日時点で株主優待の廃止を決定した企業は73社に上っているとの事。
優待を廃止にすればわずかでも優待にかける経費を削減できる事は確かです。

しかし、優待廃止傾向の中でも、本日優待内容の変更を発表したナナオのように、
図書カード等金券類は廃止にしても、自社商品や関連会社等の優待内容は維持ないし増額という
路線に変更するパターンも見受けられます。

これは何故なのでしょうか?

理由は以下のものが考えられます。

(1)自社製品の需要喚起の為
(2)クオカード等金券類は他社にデザインを頼み、印刷・発行してもらう為、費用がかかる
(3)そもそも自社製品を販売すれば原価は額面の半分以下というのもザラなので費用対効果が高い
(4)会計上の理由で金券類よりも自社製品の優待券ないし自社商品の提供の方が有利だから



(1)自社製品の需要喚起の為
これは言わずもがな、自社商品を割引してでも買ってくれるなら、
これほど効率の良い需要喚起方法は無いと思います。
株主としても、株主になった企業の製品を購入し、
使用するという心理的な満足感(効用)が得られますし、
企業側も優良顧客の獲得が平易に出来ますから一石二鳥です。


(2)クオカード等金券類は他社にデザインを頼み、印刷・発行してもらう為、費用がかかる
金券は印刷代自体がかなりのネックとなっています。
全体的なレイアウトのみの発注ですと、デザインの構成から印刷まで含め、
クオカード1,000円券3,000枚だと340万も掛かります。
元のカード代300万とデザイン・印刷料が40万ですね。
新聞の折り込みチラシの代わりと思えば安いのでしょうが、
そのカードを見るのはコンビニの店員か株主、金券ショップのお兄さんくらいです(^^;
広告としての効果は期待できないでしょう。



(3)そもそも自社製品を販売すれば原価は額面の半分以下というのもザラなので費用対効果が高い
小売店の場合は原価半分とは行きませんが、
自社製品自体であれば仲卸等への中間マージンもありませんし、
販管費が掛からないので原価は半分以下というのは有り得る話です。
仮に3,000円の自社製品だとしても原価は1,000円なんて事もあります。
ですが株主としては3,000円の効用が得られるわけですから、
費用対効果は非常に高い事がわかります。
また、(1)のように自社製品を直接使ってもらい今後の優良顧客へと変化する
期待も生まれますのでその点も有効策といえるでしょう。


(4)会計上の理由で金券類よりも自社製品の優待券ないし自社商品の提供の方が有利だから
今回のお話ではここを強調したかったのです。
日本の会計上、株主優待としてクオカード等金券類を提供した場合、
感覚的には広告宣伝費かな?と思ってしまいますが、
実は広告宣伝費として計上できず、交際費として計上しなければならないのです。
交際費ということは決算上経費として算入する事はできません。
金券の作成に金券の額面以上の費用が掛かるのに経費として認められない為、節税効果も無い。
しかも金券は自社に必ずしもフィードバックされるものではないので2重の意味で
企業が株主優待に金券を提供する意味が無い事が分かると思います。
ちなみに、自社製品に関する割引券等は広告宣伝費として損金算入できます。
この点でも税制面で差が出てしまうのです。


如何に自社製品に関する金券類等の方が企業側にとって有利かお分かりになりましたでしょうか。
今後クオカードや図書カード等金券類の株主優待廃止傾向は続くと思われます。
また、逆に自社製品に関する優待系は増加するものと思われます。
今、株主優待の歴史は変化の時を迎えたと言っても過言ではないのでしょう。


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テーマ : 株主優待
ジャンル : 株式・投資・マネー

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楽天家業

Author:楽天家業

 大学在学中から事業でお金を貯め、それを元手に卒業後は個人トレーダーとして生計を立てていました。(現在はトレード業務一部復活)

 2008年のリーマンショック時に信用取引による過剰リスク状態で惨敗。そんな手痛い経験もあり、このままの人生で良いのかと自分を見つめ直し、同年からウェブサイトの作成業務、2009年からは独立系FPとして相談業務を行うため、自分の経験を活かして日夜、ファイナンシャルプランナーの分野で活動を行っています。

<略年表>
2009年9月AFP登録
2011年7月CFP登録

 現在、主にFP法人様や執筆関連でお仕事承っております。

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