基礎年金加入期間を40年から45年へ期間延長した場合の受取額試算等

10月1日に行われた第25回社会保障審議会年金部会では
主に高齢者の就労と年金受給の在り方について議論されましたが、
その議題の中に現在20歳から60歳までを原則とする基礎年金の加入期間を
65歳まで拡大し、総加入年数を45年に延長する案が検討されています。


【現在の基礎年金加入期間】



現在は20歳から60歳までの加入期間に加え、60歳までに加入年数が40年に
満たない場合のみ、60歳から65歳までの間で任意加入制度が設けられていますが、
あくまでも上限は40年(480か月)であり、今回の審議会で検討されている
45年とは別物となります。

具体的に年金額として表すと分かりやすいので計算してみましょう。


現時点(2014年10月1日)の基礎年金支給額は772,800円です。
これは、20歳から60歳まで国民年金保険料、或いは厚生年金保険料を払い漏れなく
納付した場合の満額で受け取れる金額です。

ちなみに加入月数1か月増えるごとの年金増加額を計算すると1610円(※)ですから、
5年延長した場合は1610円に60か月を掛けると、96,600円増加する事が分かります。

 ※772,800÷(480か月)=1610円


つまり、受け取り年金額は869,400円となるわけです。
(注:あくまでも今年の年金額水準に対しての試算結果です


これら延長案は現在実施されている特別支給の老齢厚生年金(報酬比例部分)の
引き上げ及び、廃止のスケジュール(※)に合わせる事を前提とし、
加えて65歳以上の在職老齢年金の廃止もセットで行うよう記載されています。


【特別支給の老齢厚生年金(報酬比例部分)の引き上げスケジュール】


政府広報オンラインより抜粋


【65歳以上の在職老齢年金の受け取り減額早見表】


全国麺類業厚生年金基金より抜粋




45年化のスケジュール案は、2018年度より3年ごとに1年ずつ延長し、
2030年度以降を45年間とするものとしています。


【基礎年金加入期間45年化スケジュール案】



この案の通り導入された場合、現在2014年度に56歳の人は61歳(492か月)まで、
44歳の人は65歳まで(540か月)が加入可能年数となります。



なお、これらは老齢厚生年金(報酬比例部分)の支給開始年齢の引き上げ及び廃止に加え、
60歳以上の希望者全員の再雇用義務化を求めた改正高年齢雇用安定法による
定年延長の施策(※)とセットで考えるべきものであり、年金の支給開始年齢そのものの
引き上げを議論するものではありませんが、同審議会資料には日本と諸外国との
平均実行引退年齢の実態(男性はアメリカ65歳、日本69歳)や法定支給開始年齢の
引き上げ状況(男性はアメリカ67、イギリス68、ドイツ67等が決定済み)を鑑み、
45年ではなく47年及び67歳受給開始モデルも合わせて試算されている点は
一応留意しておく内容かと思います。


※【継続雇用制度(経過措置)と報酬比例部分の引き上げ措置の関係(男性の場合)】


高年齢者雇用安定法Q&A(高年齢者雇用確保措置関係)より抜粋


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Author:楽天家業

 大学在学中から事業でお金を貯め、それを元手に卒業後は個人トレーダーとして生計を立てていました。(現在はトレード業務一部復活)

 2008年のリーマンショック時に信用取引による過剰リスク状態で惨敗。そんな手痛い経験もあり、このままの人生で良いのかと自分を見つめ直し、同年からウェブサイトの作成業務、2009年からは独立系FPとして相談業務を行うため、自分の経験を活かして日夜、ファイナンシャルプランナーの分野で活動を行っています。

<略年表>
2009年9月AFP登録
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