東京五輪から50年 国立代々木競技場建設当時の有価証券報告書を見てみよう

有価証券報告書を閲覧する場合、直近5年以内であればEDINETを利用すればよいのですが、
それ以上遡りたい場合は各企業のウェブサイトで掲載されているか探してみたり、
株主プロのような民間サイトを利用する、或いは国立国会図書館や東証などで
「有価証券報告書総覧」という資料から探す必要が出てきます。

ただし、1部上場企業だけであれば1961年から1985年までの有価証券報告書が
PDF形式で閲覧可能な状態にしてくれているサイトがあります。

【参考】東京大学経済学部図書館 有価証券報告書データベース【試行版】



折角1961年から見れるので、東京オリンピック当時の建設業について閲覧してみます。

現在改修工事に入っている東京国立競技場は大成建設が施行主ですが、
残念ながら1958年竣工なので1964年(昭和39年9月)に竣工した国立屋内総合競技場
(現・国立代々木競技場)の施行主である清水建設の有価証券報告書を見てみましょう。


事業年度第52期 有価証券報告書(PDF)


大蔵大臣が田中角栄...流石に歴史を感じますね。
ちなみに53期は福田赳夫だったりします(閑話休題)

上記資料内の「第3 営業の状況 (2)工事受注ならびに消化について」には、
各事業期年度(当時はおそらく半期(6カ月)決算)ごとの工事名が出ていたりします。
(現在は株主向けの報告書(年2回発行)等に"主な工事"という項目で記載)

これを見ると、52期ではまだ国立屋内総合競技場が完成しておらず、
竣工は昭和39年11月となっています。
(ちなみにオリンピックは昭和39年10月10日開催・・・)

気を取り直して53期の資料を見てみます。


事業年度第53期 有価証券報告書


こちらには完成工事に名前が載っていました。
(竣工年月は昭和40年2月ですが・・・周辺舗装や外装等でしょうか)

請負金額は約20億円、当時(昭和39年9月)の国家公務員の大卒初任給(※)が上級(甲)
(Ⅰ種のち総合職(大卒))で19,100円、現在が181,200円ですから、
190億円といった所でしょうか。消費者物価や企業物価で考えるなら
それぞれ78億円か40億円辺りになります。

国家公務員の初任給の変遷(行政職俸給表(一))


更に資料を読み進めて損益計算書(比較損益および剰余金結合計算書)を見てみると、
第53期は完成工事高が614億円、営業利益が37億円です。

当時はオリンピックの駆け込み需要が終わればそれでお終いと言う訳ではなく、
流石高度経済成長時代、約5年後の昭和45年の第64期(※)には完成工事高1306億円、
営業利益94億円まで上昇しています。

事業年度第64期 有価証券報告書


その後も売上・利益とも基本的には増え続け、閲覧できる最後の第83期(※)では
売上9,235億、利益301億になっています。


事業年度第83期 有価証券報告書


このように時系列で企業の成長が確認できる資料は大変貴重です。
売り上げや利益に限らず、有価証券報告書には他にも細目がありますので
一度閲覧してみる事をお勧めします。

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Author:楽天家業

 大学在学中から事業でお金を貯め、それを元手に卒業後は個人トレーダーとして生計を立てていました。(現在はトレード業務一部復活)

 2008年のリーマンショック時に信用取引による過剰リスク状態で惨敗。そんな手痛い経験もあり、このままの人生で良いのかと自分を見つめ直し、同年からウェブサイトの作成業務、2009年からは独立系FPとして相談業務を行うため、自分の経験を活かして日夜、ファイナンシャルプランナーの分野で活動を行っています。

<略年表>
2009年9月AFP登録
2011年7月CFP登録

 現在、主にFP法人様や執筆関連でお仕事承っております。

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