第一生命保険 株式会社化 割当株式等の選択と課税関係について

(予想株価については一番下に書いてあります。)

第一生命は2010年4月に相互会社から株式会社へ組織変更する予定です。


それに伴い、相互会社の社員にあたる、
全保険契約者から有配当保険に加入する821万人を対象に、
株式の割り当てを決議、相互会社での収益の貢献度によって割当株数が決定しています。

(6月19日発表の内容では、306万人が1株以上の割当)

収益の貢献度とは、定期保険特約等の掛け捨てタイプに加入し、
保険金の受け取りが今までにないなど、
会社の純収益に貢献したお客様が対象となります。


今月8月31日を期限として、株式又は金銭での受領を選択する事になっていますが、

少しその内容を取り上げてみます。



1、金銭で受け取る場合


割当株数が1株に満たない方、(割当表示が0.86株等)は、強制的に金銭での受領となります。

1株以上割り当ての方でも、端株分は当然金銭での受領となり、
また、割当株式の所有を希望しなければ、

初めの条件決定時(上場1か月前ほど)に価格が決定され、
その金額での配当と言う形になります。


これはあくまで上場前に決まる理論価格での配当であり、
上場初日に決定される初値とは関係がありません。

通常の新規上場株と異なり、第一生命の株式割り当てには一般公募がありませんので、
公募価格といものは存在しません。変わりに、上場時の基準価額が設定されるようです。

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※2010年2月22日 東証発表の上場承認情報によると、公募はありませんが、売り出しはあるようです。
売り出しの元株は、1株に満たなかった株主分と、株ではなく現金で受け取り希望の株主への割当分となります。
内外投資家向けに約700万株、主幹事は野村で、一般個人投資家にどの程度配分があるかは不明ですが、
安定株主分を除いた、約500万株が上場前に売り出し対象となります。

詳しくはこちら⇒東京証券取引所 新規上場銘柄詳細
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ですから、上場初値、上場後の株価が基準価格よりも高くなるのでは、と思うなら

株式での受領を選択しましょう。


2、株式で受け取る場合

割当株数が1株以上で、株式を受領する場合は少し手続きが必要になります。

まず、ご自分の証券口座がある方は、そこに入れるのがベストだと思います。
それがネット証券であれば尚更です。

これは、上場以降の売却時に掛る手数料が店頭を中心とした証券会社よりも安いからです。

(野村は売却価格のおよそ1%、ネット証券は0.1%が手数料になります。
仮に50万円売却した場合、野村は5,000円、ネット証券は500円の手数料となります)


ご自分の証券口座がない場合は今から口座を作るには時間がかかりますので、
記載されている野村証券の口座を開設するのが、面倒がないと思います。

この場合、必ず特定口座の開設申請をして下さい。
特定口座は譲渡益が出た場合、源泉徴収によって課税処理が完了し、
後の確定申告が不要となります。

また、損失となった場合も、証券会社から送られてくる特定口座年間取引報告書があれば
申告も簡単で、3年間の繰り越し控除が受けやすくなります。


<金銭並びに株式の譲渡にかかる課税について>

・受領金品の課税関係

株式で受け取る場合も金銭で受け取る場合も、
法人から贈与された金品は継続性が無い場合、一時所得になります。

第一生命の株式割り当てにおいて発生する金品の授受もすべて一時所得となります。


一時所得の場合、所得から特別控除額(50万円)を引き、2分の1にした金額が
課税総所得金額に加算されることになります。

仮に割り当て株が2株、基準価額が30万円だった場合、
贈与を受けた総額が60万円ですから、課税総所得金額は5万円となります。

しかし、給与所得者で確定申告が必要な場合は、
給与収入以外の所得が20万円を超える場合ですから、
このケースでは給与所得者に関しては確定申告の必要はありません。

(既に退職され、年金受給者である場合はご自分の確定申告時に総所得金額に加算されます)


・株式の譲渡所得

株式で割当を受け、上場後に売却した場合、
譲渡損益が発生します。

譲渡にかかる株式の取得価額は、この時点で決定されているはずの基準価額になります。
仮に基準価額が25万円だった場合、上場初値に30万円が付き、その値で売却した場合は

30万-25万=5万円

5万円が譲渡所得となり、分離課税の対象となります。

平成22年4月の段階では、所得税法が変更にならない限り、
上場株式の譲渡所得にかかる課税は所得税7%、住民税3%で、計10%になります。

5万円の譲渡所得から、売却時にかかる手数料等の経費、
(野村であれば2,500円ほど)を差し引いた47,500円が課税対象となります。

特定口座であれば4,750円が源泉徴収され、課税関係は終了となります。


気になる基準価格はいくらになるの?

現在上場している損害保険会社や生命保険会社の平均PER(株価収益率)を考えた場合、
上場時のPERは10~25倍が相当と思われます。

第一生命の近2期分の決算内容から、税引後当期純利益は約1,000億円です。

株式の発行数は1,000万株を予定していますので、
一株当たりの当期純利益は1万円ということになります。

仮にPER10~25倍で基準価格が決定されるとすれば、
1株当たりの株価は10万円~25万円ということになります。

仮に高く見積もるとして、
収益的には通常期(昨年度はサブプライムローン問題による収益の圧縮があったと想定される為)
と思われる平成19年度の約1,300億円を基準に考えた場合は

予想基準価格は13万円~32万円 となります。


と言う事で、下限10万円上限32万円くらいが妥当であり、

中央値である20万円を予想しているのですが、

上場基準価額は低めに見積もられるのが普通なので、15万円を予想株価としておきましょう(^^;


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Author:楽天家業

 大学在学中から事業でお金を貯め、それを元手に卒業後は個人トレーダーとして生計を立てていました。(現在はトレード業務一部復活)

 2008年のリーマンショック時に信用取引による過剰リスク状態で惨敗。そんな手痛い経験もあり、このままの人生で良いのかと自分を見つめ直し、同年からウェブサイトの作成業務、2009年からは独立系FPとして相談業務を行うため、自分の経験を活かして日夜、ファイナンシャルプランナーの分野で活動を行っています。

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2009年9月AFP登録
2011年7月CFP登録

 現在、主にFP法人様や執筆関連でお仕事承っております。

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